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[韓国]

石が語るまで

Until the Stones Speak
돌들이 말할 때까지

韓国/2022/韓国語/カラー/DCP/100分

- 監督、脚本、撮影、編集:キム・ギョンマン
録音:コ・ウナ
音楽:オロミンギョン
製作:ノ・ウンジ、チョン・ウォンギョン
提供:キム・ギョンマン

1948年に起こった済州4・3事件、20歳前後の多くの若者が無実の罪で刑務所に送られた。70年が経ち、90歳を過ぎた5名の女性たちは、名誉回復のための再審裁判が行われたことをきっかけに、重い口をゆっくりと開き当時の悲劇を語り始める。多くの島民たちの命が奪われ、焼き尽くされた村々、刑務所での壮絶な体験は彼女たちの心と身体にいまだ癒えぬ傷を残す。これまで語ることができなかった、しかし決して忘れることはなかった記憶の言霊は済州島の悠久の風景へと溶け込み、当時の凄惨な情景をよみがえらせる。(SA)



【監督のことば】過去の歴史を省察することは、現在と未来のためにある。済州4・3事件で国家権力が行ったことはいかなる理由であれ正当化することはできないが、それを正当化させてきた認識は今も社会に蔓延している。これから到来する未来がいかなる人にとっても深刻な問題であるならば、過去の歴史認識抜きにそれを解決することなどできるだろうか。時が経てば、省察せずとも自然とより良い社会になるだろうと望むのは、あまりに滑稽ではないだろうか。現在の困難は、この間の間違った認識を省察しなかったことに対するあまりにも当然の結果かもしれない。にもかかわらず、この映画のおばあさんたちのように、人は手に負えない厳しさの中で生き続けている。かように過酷な経験をし、今では想像もつかないような苦しい時代を生き抜いてきたこと自体が、もしかしたら抵抗そのものだと言えるのかもしれない。


- キム・ギョンマン

近年は、歴史認識こそが重要な課題であるとの考えのもと、インディペンデント・ドキュメンタリー映画を制作している。短編映画には『Long Live His Majesty』(2002)をはじめとして、『やってはいけません』( 2003、YIDFF 2005)、『馬鹿は風邪ひかない』(2008、YIDFF 2009)、『Beep』(2014)、長編映画には『An Escalator in World Order』(2011)、『People Passing By』(2014)などがある。『石が語るまで』は長編3作目。