[韓国]
私はトンボ
Saving a Dragonfly잠자리 구하기
- 韓国/2022/韓国語/カラー/ デジタル・ファイル/80分
監督、脚本、撮影、編集、録音:ホン・ダイェ
提供:ホン・ダイェ
高校3年生の監督は、大学修学能力試験(CSAT)に直面する友人と自らの姿を撮り始める。受験の失敗、孤独だった浪人時代、何かが変わると信じて入学した大学生活……。時間の経過や状況の変化は何も変えてはくれず、不安と隣り合わせの毎日に疲弊した監督はいつしか自分を追い詰めるようになる。小さなことがきっかけで崩れ落ちる儚い感情は、誰かを傷つけたりもする。それでも、彼女たちがともに過ごした8年間を粘り強く撮り続け、映画を完成させた。友人、そして自分を救うための切実な想いがカメラを通して描かれる。(SA)
【監督のことば】生まれてこのかた、私たちは大人になれば蝶に変身するのだと聞かされてきた。思春期は単なるサナギの時期で、大人になると夢や希望は変態して飛び立つのだと信じさせられていた。しかしながら、私も友人の誰も、サナギから蝶になるような大変身を経験したわけではなかった。蝶のような完全変態というよりは、成長するにつれて徐々に大きくなっていくトンボのような、成長を遂げていることに気づいたのだ。
ホン・ダイェ
韓国出身の若手ドキュメンタリー監督。高校時代からドキュメンタリーを撮り始め、最初の作品では教育問題に焦点を当てた。“青春”の物語をユニークに描いた初の長編作品『私はトンボ』は高校3年だった2014年に撮影を開始し、2022年に大学の卒業制作として完成させた。自身は、ドキュメンタリーの真実の本質は被写体の感情の中にあると固く信じている。