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[インド]

我が理想の国

Land of My Dreams

インド/2023/ヒンディー語、英語/カラー/ デジタル・ファイル/74分

- 監督、撮影、編集:ノウシーン・ハーン
音楽:クシュ・アシェール
提供:ノウシーン・ハーン

監督の母校である大学で、イスラム教徒を中心とした学生たちによる抗議デモが起きた。国内の難民に市民権を与える市民権改正法案(CAB)に基づく名簿「国民登録簿(NRC)」から、イスラム教徒が外されたことに対して抗議する学生たちに、警察は棍棒を振り下ろす。抗議の声が届かないまま改正法(CAA)が施行され、反対運動は各地に広がり、やがてイスラム教徒が多く住む街シャヒーン・バーグに人々が集まり始める。未来を案ずる女性たちが集う、大規模なデモの風景は圧巻だ。女性でイスラム教徒でもある監督は、多様な人々の声に耳を傾けながら自分自身を見つめ直す。(MA)



【監督のことば】本作は、インド市民権改正法(2019年可決)に反対する平和的な民主化運動を率いた女性たちの物語である。ニューデリー南部にある街シャヒーン・バーグの女性たちは、制度的・社会的な抑圧に立ち向かい、100日以上にわたって抗議し、全国に抵抗を喚起し、新しいかたちの公的な反対運動の先例を作った。ムスリム女性である私は、排除や分極化、抑圧に対する人間に共通した反応を検証して、インドにおける帰属や愛国心、アイデンティティといった現代的な概念に疑問を投げかけたいと思う。この映画は、露骨な抑圧がまかり通る時代における愛の力を証明するものである。


- ノウシーン・ハーン

現代における紛争や政治不安の中で、ジェンダーの視点をテーマに活動するインディペンデント映画作家。最近の関心事は、カシミール地方の女性と子どもの問題である。暴力と紛争がカシミールの若者に与える影響について共同制作した映画『Pushed to the Wall』(2019)は、2020年にオーストラリア現代美術センターのNIRIN NAARMで上映された。『我が理想の国』は、初めて自費制作した長編ドキュメンタリー映画である。2023年、ケララ国際ドキュメンタリー・短編映画祭(インド)のコンペティション長編ドキュメンタリー賞を受賞した。