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自画像:47KMの窓

Self-Portrait: Window in 47 KM
自画像:47公里之窗

- 中国/2019/中国語(湖北方言)/カラー/デジタル・ファイル/110分

監督、撮影、編集、録音:章梦奇(ジャン・モンチー)
出演:方紅(ファン・ホン)、李貴庭(リー・グイティン)
製作:章燕(ジャン・イエン)
製作会社:草場地ワークステーション
提供:章梦奇

監督が長期間にわたって撮影を続ける中国山間部の小さな村。その村を見下ろす小屋の壁には、年月を経てかすれた「○○主義が中国を救う」の文字。監督は一人の少女に○○の部分についての考えを問い、少女は「戦争もしてないのに、国を救う必要なんてあるの?」と問い返す。ある老人は85年に及ぶ自らの半生を語り、一方少女は村の老人たちの似顔絵を描き続ける。映画には、老人たちとともにやがて消えていく記憶、風景の痕跡として残る歴史や経済的衰退が記録されているが、それだけではない。この小さな村は、厳しい冬の終わりに文字通り鮮やかな色彩に染まるのである。(YH)



【監督のことば】この映画は、連作ドキュメンタリー「47km」の8作目となる作品だ。

 85歳の翁が毛沢東の肖像の下に座り、日が暮れゆくなか、「新たなる中国」を求めて革命に明け暮れた自身の個人史を追想する。

 その一方で、方紅(ファン・ホン)という名の15歳の少女は、絵筆を持って村の老人たちの薄暗い家々を訪ね歩き、彼らの前に腰を下ろしてその肖像を描いてゆく――あたかも、老人たちの記憶と荒れ果てた居室を照らす一筋の光のように。

 私は方紅に付き随い、近くの街から47kmの距離で隔絶されたこの村に、彼女とともにひとつの窓を築いたのだ。


章梦奇(ジャン・モンチー)

1987年生まれ。2008年に中央民族大学舞踏学院を卒業した後、2009年より北京郊外の草場地ワークステーションに滞在し、映画作家・舞踊振付家として活動する。これまで制作した「自画像シリーズ」として知られる長編ドキュメンタリーはすでに9本を数え、2010年の『三人の女性の自画像』(YIDFF 2011)を除き、2011年の『Self-Portrait: At 47KM』(シネマ・デュ・レエル2012上映)以来、『Self-Portrait: Dancing at 47KM』 (2012、シネマ・デュ・レエル2013)、『Self-Portrait: Dreaming at 47KM』(2013)、『Self-Portrait: Building a Bridge at 47KM』(2014)、『Self-Portrait: Dying at 47KM』(2015)、『自画像:47KMに生まれて』(2016、YIDFF 2017)、『自画像:47KMのスフィンクス』(2017、ヴィジョン・デュ・レエル2018、DMZ国際ドキュメンタリー映画祭2018「白鵞賞」)といった作品に本作を加えた8本は、湖北省にある自身の父の村を舞台に、ほぼ年に一本のペースで撮影されている。