日本に生きるということ |
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在日作家の新風
近年の在日作家による作品を集めた。金森太郎こと金昇龍はチベットへ旅し、金聖雄は路地裏のアパートに集う在日一世たちの姿を記録。松江哲明は在日のAV男女優を追った。在日中国人作家、任書剣による北朝鮮紀行からは何が見えるだろう。
Tibet Tibet
- 日本/2005/日本語/カラー/ビデオ/105分/英語字幕版
監督、撮影:金森太郎こと金昇龍(キム・スンヨン)
編集、構成:梶愛
音楽:大久保智之
製作会社、提供:Ragos
在日コリアン三世のひとりの青年が、旅の地インドで亡命チベット人の存在を知ったことから、この作品は生まれた。1997年、ビデオカメラを片手に、行く先を決めない世界旅行へ出発し、北インドで多くの亡命チベット人に出会う。国を追われた彼らの困難な状況は、監督に自分の祖父母の経験した苦難、ひいては民族、国家について考えさせるものだった。さらに翌年、チベット(現:中華人民共和国チベット自治区)を訪れた彼は、民族の危機を目の当たりにする。
花はんめ
Hana Hanme- 日本/2004/日本語/カラー/16mm/100分
監督:金聖雄(キム・ソンウン)
撮影:石倉隆二 録音:永峯康弘、澤畑明
音楽:横内丙午 音響構成:渡辺丈彦 製作:米山靖
企画、制作:花はんめ製作・上映委員会、ヒポ コミュニケーションズ
提供:花はんめ上映委員会
金聖雄は母の死を契機に在日一世の日常や歴史を描こうと決意、4年にわたって川崎市桜本界隈の小さなアパートに住む“はんめ(おばあちゃん)たち”を記録した。チラシに「私にできることは、小さなお墓を創るような気持ちで、仲間と一緒に映画を創ることでした」と書いている。在日を描いた作品の多くが過去おける苦難や差別の歴史を描いたのに対し、今を生きる一世たちの日常をありのままに捉えて爽やかな作品に仕上がっている。
Identity
- 日本/2004/日本語/カラー/ビデオ/83分/英語字幕版
演出、構成:松江哲明
撮影:松江哲明、村上賢司
8mm撮影:村上賢司
音楽:藤野智香、川野建
製作:カンパニー松尾
製作会社、提供:HMJM(ハマジム)
2部構成からなる韓朝中、在日ドキュメント。韓国籍を持つ在日三世のAV女優・相川ひろみは、幼少期を過ごした広島・尾道を故郷と感じると言う。そんな彼女のルーツを巡る旅。そして、中国からの留学生・杏奈と、“家のなかに38度線がある”在日二世の男優・花岡じったとの横浜デート。在日三世の松江哲明が、新世代の抱える“アイデンティティの不安”を直視する。今回上映するのは、AVとして販売されたバージョンとは異なる特別版。
北朝鮮の夏休み
Summer Vacation in North Korea- 日本/2005/朝鮮語、中国語、日本語/カラー/ビデオ/73分/日本語字幕版
監督:任書剣(にん・しょけん)
編集:今田哲史
オペレーター:島田慎司 提供:任書剣
2004年の夏、ひとりの中国人観光客として、中国延辺地区から北朝鮮に入った任書剣。彼は1泊2日間の旅で、各種の制限を受けながらも北朝鮮の現状を撮影しようと果敢に試み、また多くの北朝鮮の人々との交流を図る。平壌と比べると発展の遅れた、しかし自然の豊かな会寧、羅先、清津という3つの街。この地で暮らす一般市民の素顔を浮かび上がらせることに成功している。