インターナショナル・ コンペティション |
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生まれなかった映画たち
Cinéma Invisible--The BookCinéma Invisible--Het Boek
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オランダ/2005/オランダ語/カラー、モノクロ/ビデオ/73分
監督:ケース・ヒン
脚本:K・スヒッペルス、ケース・ヒン
撮影:サンデル・スヌップ 編集:バルバラ・ヒン
録音:メノ・エーウェ、エリック・ランハウト
音楽:オット・ケッティン 製作:ロルフ・オルテル
製作会社、配給:DNUフィルムB.V.
映画誕生100年を記念して出版された、映画化されなかった脚本集『シネマ・インビジブル』を求め書店を訪れた女性をナビゲーターに、未映画化作品10本を100本の中から抜き出し、そのエッセンスを映像化していく。チャップリンやクルーゾー、『地下鉄のザジ』、『戦艦ポチョムキン』などを挿入しながら、遊び心あふれるファンタジー・ドキュメンタリーが誕生した。映画のすべてにオマージュを捧げる作品。
【監督のことば】この映画のスタイルは、ルネ・クレール監督作『イタリア麦の帽子』の世界と小説家K・スヒッペルスの最新作『Zilah』の間にある微妙なはざまを巧みに行き来する。実際のところ、あの本は小説を装ったある一遍の詩である。それは純粋なるものの探求なのだ――子どもたちが遊びのなかから世界を発見するように、想像のなかで文字を字面どおり受けとめたり、概念や景色によって想像力がかきたてられたりするように。子どもたちが大人の世界の現実を受け入れなくてはならなくなる前、自分たちの世界を創造する最後の瞬間。そういったことが『シネマ・インビジブル』の脚本から感じられる。この映画は、これらの脚本家たちの情熱と目標に捧げるオマージュだ。
ひとつの扇のような構成にした。様々な人たちがそれぞれの方法で映画に取り組むため、各シークエンスのそれぞれ多彩なアイデンティティを描き分けなければならない。しかし、同時に統一感もある――各シークエンスのドキュメンタリー的導入部分がその一例だ。また、常套的な映画手法を避けてはいない。『赤い風船』を彷彿とさせるように一束の紙が、エレガントに、明るく、そして好奇心たっぷりに街中を自由に動き回り、遊び心たっぷりの一体感を生みだしているのだ。
ケース・ヒン 1936年、アムステルダム生まれ。1962年世界的に有名なドキュメンタリー作家ベルト・ハーンストラの助監督として映画の仕事を始める。監督デビュー作は『Underground』(1965)で、オランダ人小説家、K・スヒッペルスとの長年のシナリオ共作もこの作品から始まった。独自のストーリーテリングを探求し、ドキュメンタリー、演劇、ときには音楽、そして現実への特異な視点をミックスし、既存の映画製作の型にはまらないスタイルを生み出した。記憶がいかに人の存在を形成するかというテーマを作品のなかで繰り返し取り扱っている。監督作は95本を越え、主に偉大な画家、音楽家、詩人の生涯をテーマにしたオランダのテレビ番組を制作している。また、ホロコーストに関する様々なドキュメンタリーを手がけた。生涯にわたる功績を称えられ、1985年にL・J・ヨルダーン賞受賞。主な作品として『The Sensitive Plate』(1976)、『The Extended Death of Jacques Rigaut』(1980)、『Soldiers without Guns』(1984)、『A Cloud of Green』(1990)、『Shadowland』(1992)、『Theresiënstadt: Film or Truth』(1995)、YIDFF '99ワールド・スペシャル・プログラムで上映された『見知らぬ人との会話』(1998)、『The Final Days of the Atelier of Frans van de Staak』(2002)、『Woyzeck--A Man Becomes a Murderer』(2005)などがある。 |