english
インターナショナル・
コンペティション
  • 静かな空間
  • アフリカ・ユナイテッド
  • 水没の前に
  • 生まれなかった映画たち
  • ダーウィンの悪夢
  • ファイナル・ソルーション
  • 海岸地
  • イラク ― ヤシの影で
  • ジャスティス
  • 老いた猫のお引越し
  • アンコールの人々
  • リハーサル
  • ルート181
  • メランコリア 3つの部屋
  • パレルモの聖女

  • 審査員
  • ドミニック・オーヴレイ
  • スー・フレドリック
  • 賈樟柯(ジャ・ジャンクー)
  • 崔洋一
  • 呉乙峰(ウー・イフォン)
  • 静かな空間

    About a Farm
    Hiljainen tila

    - フィンランド/2005/フィンランド語/カラー/ビデオ/54分

    監督、脚本、ナレーター:メルヴィ・ユンッコネン
    撮影:メルヴィ・ユンッコネン、ヴェサ・タイパレーンマキ
    編集:トゥーリ・クイッティネン
    録音:エサ・ニッシ
    音楽:ギリラル・バールス
    製作:キンモ・パーナネン、ミカ・ロンカイネン
    製作会社:クラッフィ・トゥオタンノットゥ
    提供:フィンランド・フィルム・ファウンデーション

    フィンランドの小さな町にある農場を営んでいた監督の両親は、牧場の牛を売り払い農場の閉鎖を決意する。畑の収穫も父親の怪我で他人の手を借りることに。高校卒業間近な妹の病気、心配するしかない母親。農場を継がずに都会での生活を選んだ妹と監督。押し寄せる時代の波と、家族の日常を映し出しながら、父の撮りためた8mmフィルムを眺め、ひとつの家族の物語をひとつの作品へと昇華させた。本作が長編デビュー作のフィンランド期待の監督によるセルフ・ドキュメンタリー。



    -【監督のことば】EU加盟国となってからフィンランドの小規模農業の経営はもはや成り立たなくなってきている。私の家は農家なので、農業従事者の苦しみを映画にしてみたいと思った。故郷の村では多くの人が現状維持に必死だ。そして突然そのテーマが身近なものに。両親が牧場をやめると言いだし、私は複雑な気持ちで経過をフィルムにおさめようと、牛が連れ去られてからの感情と出来事を見つめていった。予期せぬことが次々と起き、私たちにとってこの1年半はけっして楽ではなかったが、結果的には家族の絆が戻ってきた。それを思えばこの映画を作ることができて嬉しいのだが、自分自身にまつわる映画はやはり困難が伴うので、撮り始める前によく考えなければならないと思う。


    - メルヴィ・ユンッコネン

    1975年フィンランド、オウルンサロ生まれ。現在はスウェーデン、ウプサラ在住。ヘルシンキ芸術デザイン大学でドキュメンタリーの撮影と編集を学ぶ。短編映画の編集多数、テレビ番組制作のほか3本のドキュメンタリー作品を監督。『Barbeiros』(2001)は2002年アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭でFIPRESCI賞、2002年チリのサンティアゴの国際学生映画祭でドキュメンタリーおよび撮影部門の最優秀賞、2003年シカゴ国際映画祭でゴールド・ヒューゴ学生映画賞を受賞。その他の作品に『Saana』(2003)。本作は2005年フィンランドのタンペレ国際短編映画祭でリスト・ヤルヴァ賞を受賞した。