インターナショナル・ コンペティション |
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審査員 |
アフリカ・ユナイテッド
Africa United-
アイスランド/2005/英語、アイスランド語、他/カラー/ビデオ/82分
監督、脚本:オーラフ・デ・フルル・ヨハンネスソン
撮影:ラグナル・サントス
編集:ベネディクト・ヨハンネスソン、オーラフ・デ・フルル・ヨハンネスソン
音楽:バルディ・ヨハンネスソン
製作:ラグナル・サントス、オーラフ・デ・フルル・ヨハンネスソン、ベネディクト・ヨハンネスソン
製作総指揮:スクーリ・フル・マルムクウィスト、トール・S・シグルヨンソン
製作会社:ポッポリ・ピクチャーズ・アイスランド、シック・サック・フィルムワークス
配給:ババリア・フィルム・インターナショナル
事業に失敗したモロッコ人ジーコが率いるアイスランドのアマチュアサッカーチーム「アフリカ・ユナイテッド」。アフリカからの出稼ぎ労働者や留学生とアイスランド人で構成されたこの多国籍チームの最大の特色は、弱いこと。資金難を乗り越え、雪の中で練習し、仲間割れをも繰り返して、モロッコ、セルビアと転戦するが、サッカーへの愛と勝利は反比例するのか……。弱さに秘密も秘訣もないが、男たちには意地がある。めげない奴らの痛快転戦記。
【監督のことば】精神的な落ち着かなさへの答えを求めて、私は9歳で聖書を読み始めた。11年後、私は心の平穏をもたらすなにかを見い出した。その答えというのはものごとを簡単にすること、シンプルにするということだった。それからあらゆる間違った理由でものごとを複雑にしてしまう人々に、私はいつも夢中になってしまうのだった。
サッカーはシンプルさそのものであり、人生と同様にそれを複雑にしてしまうのは人間だ。私の映画『アフリカ・ユナイテッド』の登場人物たちは、複雑さの極地を生きている。
アフリカ・ユナイテッドのメンバーはレイキャビークで安い賃金で働くか失業中だったりと、移民としての苦難を強いられている。言葉の問題、当局との対応、金銭的な問題など、それからアイスランドの気候については言うまでもないだろう。
移民は新しい国でしばしば頭(こうべ)を垂れながら暮らしている。だからこそ、アフリカ・ユナイテッドは単なるサッカー・チーム以上の意味を持つのだ。メンバーたちは、サッカーでの成功が自分たちの生活にまで反映し、人生に実りをもたらす尊厳と自信を得ることができると固く信じている。
この映画は基本的に、成功と尊敬を得ることへのあこがれを描くシンプルなストーリーなのだ。
オーラフ・デ・フルル・ヨハンネスソン 1975年生まれ。レイキャビークで物理学を専攻、1995年卒業。 以来、数多くの劇映画とドキュメンタリー映画の企画、製作に携わる。主にテレビ・ドキュメンタリーを中心に製作会社で2年間働いた後、ポッポリ・ピクチャーズ・アイスランドを設立。監督とプロデューサーを兼ね、長編ドキュメンタリー『Proximitas』 と『Shining Star』を製作。『Shining Star』は2004年アイスランド映画賞を受賞。 現在、結婚することを決意した仏教の僧侶についての長編ドキュメンタリーに取り組み、撮影にこれまで10年を費やしている。 アイスランドの映画評論家たちから、最も有望な才能を持つ映画監督のひとりと評価されている。 |