物語る私たち
Stories We Tell-
カナダ/2012/英語/カラー/35mm/108分
監督:サラ・ポーリー
撮影:アイリス・ン
編集:マイケル・マン
録音:サンジャイ・メータ
音楽:ジョナサン・ゴールドスミス
ナレーション:マイケル・ポーリー
製作:アニタ・リー
製作会社、配給:カナダ国立映画製作庁
『スウィート・ヒアアフター』をはじめとするアトム・エゴヤン作品のミューズであり、監督としても活動を続けるサラ・ポーリーによる新作ドキュメンタリー。監督自ら両親や家族について語り、兄弟、親戚、関係者が証言する。一見よくある「自分探し」のようにも思えるが、虚実の皮膜は曖昧なまま、次第に監督の意図が明らかになってくる。予想もしない展開が待ち受ける、ドキュメンタリーとフィクションの境界を軽々と飛び越えた、創意あふれる個人史映画だ。
【監督のことば】『物語る私たち』は、人間関係に対する私の尽きぬ興味と、物語ることについての実験を試みたいという欲求を結びつけ、そこに存在する多くの真実を同時に明らかにすることを企図している。19歳か20歳の頃から、私はずっとこうしたことを考え続けており、これまでの短編作品もすべて同じ動機から撮っている。『アウェイ・フロム・ハー 君を想う』と『テイク・ディス・ワルツ』も本作と同様、長きにわたる人間関係を描いたものだ。
だが、今回の映画作りでもし学んだことがあるならば、それは、私たちは全く正しくあることも、間違っていることもできないということだ。私たちは、自分が必要とする自画像に望ましい過去と歴史をあてがうため、意図しないまま、物事をいくらか歪曲しているにちがいない。同様に私たちは、自分なりの方法で真実を語っているはずなのだ。
サラ・ポーリー
脚本家・監督。長編劇映画に『アウェイ・フロム・ハー 君を想う』(2006、アカデミー賞2007最優秀脚色賞ノミネート、ジニー賞2008最優秀作品賞・監督賞受賞)、『テイク・ディス・ワルツ』(2011、主演:セス・ローゲン、ミシェル・ウィリアムズ、サラ・シルヴァーマン)がある。