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自画像:47KMのおとぎ話

Self-Portrait: Fairy Tale in 47KM
自画像:47公里童话

- 中国/2021/中国語(湖北方言)/カラー/DCP/109分

監督、編集、録音、製作:章梦奇(ジャン・モンチー)
撮影:章梦奇(ジャン・モンチー)、方紅(ファン・ホン)、丁琪軒(ディン・チーシュアン)
出演:方紅(ファン・ホン)、丁琪軒(ディン・チーシュアン)、雷金婷(レイ・ジンティン)
製作会社:草場地ワークステーション
提供:章梦奇(ジャン・モンチー)

「47KM」と呼ばれる中国山間部の小さな村を舞台とした連作の最新作。監督が撮影を開始してから10年目を迎えるこの冬、村には新しい建物がつくられようとしていた。子どもたちはその「青い家」がどんなふうになったらいいかを想像し、絵に描く。これまで被写体であったはずの少女たちはカメラを回し、自分たちの村の姿を記録し始める。それにつれて、これまでは撮影者だったはずの監督と、彼女が建てる新しい家もまた、村の風景の一部になっていく。(YH)



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【監督のことば】この映画で「47KM」シリーズは9作目になる。

 2019年、私は「47KM」の村で10度目の冬を過ごした。村を囲む丘のひとつでは、子どもたちの絵が描かれた紙が固い地面となり、おとぎ話が現実になることでひとつの新たな空間が生まれようとしている。

 私はなぜこの映画を「おとぎ話」と名付けたのか? 私たちはなぜおとぎ話を必要とするのだろう?

 2020年、私がこの映画の編集作業を始めたその年は特別な年だった。再起動の年、いまこのときとこの先の未来を再確認する年――そんな気がしている。


- 章梦奇(ジャン・モンチー)

1987年生まれ。2009年より映画作家・舞踊振付家として、北京郊外の草場地ワークステーションで滞在制作を続けている。中国三年大飢饉の体験記録収集プロジェクト「Folk Memory Project(民間記憶計画)」創立メンバー。湖北省にある父の故郷の村で撮影した長編連作ドキュメンタリー「自画像シリーズ」をこれまでに9本制作。山形国際ドキュメンタリー映画祭、シネマ・デュ・レエル、ヴィジョン・デュ・レエル、モントリオール国際ドキュメンタリー映画祭など多数の出品歴があり、DMZ国際ドキュメンタリー映画祭では近作『自画像:47KMのスフィンクス』(2017、YIDFF 2019)は「白鵞賞」を受賞した。またその振付作品は、ランコントル・コレグラフィック・アンテルナシオナル・ド・セーヌ=サン=ドニ(フランス)、インパルス・タンツ(オーストリア)、ユーロカズ(クロアチア)、キュンストラーハウス・ムーゾントゥルム(ドイツ)でも上演されている。