ボストン市庁舎
City Hall-
アメリカ/2020/英語/カラー/DCP/274分
監督、編集、録音、製作:フレデリック・ワイズマン
撮影:ジョン・デイヴィー
撮影助手:ジェームス・ビショップ
整音、編集助手、DIT:クリスティーナ・ハント
ミキシング:エマニュエル・クロゼ
デジタルカラーグレーディング:ジル・グレイナー
製作:Zipporah Films, Inc.
配給(日本国内):ミモザフィルムズ、ムヴィオラ
2018年秋より2019年冬にかけて、フレデリック・ワイズマンはマサチューセッツ州ボストン市庁にカメラを向けた。描かれるのは役所に関連する多様な活動。同性婚の承認、退役軍人とのミーティング、感謝祭の運営から小作農の立ち退き防止まで、多民族社会に焦点を当てた経済開発などが細やかに綴られる。本作監督はボストン行政の活動に在るべき民主主義の模範を見ているようだ。市長マーティ・ウォルシュの雄弁な演説を含め、そこでの政治は分断化されたアメリカに対するアンチテーゼに映る。(IT)
【監督のことば】『ボストン市庁舎』を私が監督したのは、人びとがともに幸せに暮らしてゆくために、なぜ行政が必要なのかを映画を通して伝えるためでした。『ボストン市庁舎』では、アメリカがたどってきた多様性の歴史を典型的に示すような人口構成をもつ米国屈指の大都市で、人びとの暮らしに必要なさまざまなサービスを提供している市役所の活動を見せています。ボストン市庁舎は、こうした市民サービスを合衆国憲法や民主主義の規範と整合のとれるかたちで提供することを目指しています。
ボストン市庁舎はトランプが体現するものの対極にあります。
1930年、ボストン生まれ。1967年に『チチカット・フォーリーズ』ではじめてドキュメンタリー映画を撮って以来、撮影対象へのインタヴューもしなければナレーションや音楽を付け足すこともない手法を、すべての作品で貫いている。主な作品は『福祉』(1975)『モデル』(1980、YIDFF '91)、『動物園』(1993、YIDFF '93山形市長賞)、『コメディ・フランセーズ ― 演じられた愛』(1996、YIDFF '97特別賞)、『メイン州ベルファスト』(1999、YIDFF '99山形市長賞)、『DV ― ドメスティック・バイオレンス』(2001、YIDFF 2001)、『DV 2』(2002、YIDFF 2003)、『エクス・リブリス ― ニューヨーク公共図書館』(2016、YIDFF 2017)、『インディアナ州モンロヴィア』(2018、YIDFF 2019審査員特別賞)など。