マリア・ロザリー・ゼルード |
詩、映像、詠唱、舞踊、パフォーマンス、リサイクルアートなど多彩な表現をするアーティスト。カミギン島(ミンダナオ島北の沖)のエニグマータ・クリエイティブ・サークルの共同創立者およびクリエイティブ・ディレクター。野外を好み、島との出会いからさらに環境保護や教育に力を入れる。フランスの「国境なき遺産」が後援するプロジェクト、Culture of Remembrance "Tell Me a Story, Mr. Cloud" のために、子ども向け映画を制作。また、E-Mediaとウェブ管理用のビデオ制作のインターンシップのために、E-Media東南アジアセンターの後援を受けた。『イエロー・ブリッジ』と併映する短編映画/ミュージックビデオ『子宮の唱』(2007)は、数々の賞を受賞。作品はフィリピン、マレーシア、韓国、日本で上映されている。 2009年8月より山形県内に滞在し、映像作品『イエロー・ブリッジ』の制作や子供向けのワークショップを行っている。YIDFF初のレジデンシー・アーティスト。 |
イエロー・ブリッジ
Yellow Bridge (tulay na dilaw)- 日本/2009/日本語、英語、タガログ語/カラー/ビデオ/45分
監督:マリア・ロザリー・ゼルード
【監督のことば】 苦悩、甘美、汚れを混ぜる、色についての映画…… 1つのサイクルとなった四季の色が、多くの感情、恐怖、希望、喜びとなって爆発するように…… 色は、私たちの生き方を変える…… 色は主張する…… 思い出と、動いている詩の並列の中に溶け込んだ、人と人との出会いから生まれた映画が、過去と現在の調和を描く…… あなたたちの国の人々が、私の国の人々を傷つけた…… 決して癒えないかもしれない傷だ…… 半世紀以上が過ぎ、罪の意識の色が、甘い黄色に変わった… 私たちの国は、輸出品に対して無知な消費者を満足させるため、バナナの国に変貌したのだ…… エキゾチックな料理のため… 島と人々を結ぶ食べ物…… 土地と住民への愛のために多くを犠牲にしている、私が最も尊敬する農民たちに対し、世界に食べ物を供給してくれていることについて感謝するには、この映画では不十分だ。この映画は、私の良心だ。同じ皿の中のものを食べているグローバル・コミュニティに対して、私にできることがこの映画なのだ…… この国を幸せにするために支払う代償を、ビジュアルなイメージにした。あなたの生活に彩りを添えるために、ネグロスやミンダナオの農民たちが、死に物狂いで働いていることを知れば、食卓にある砂糖やマンゴーやバナナの味が甘くなるかもしれない。
マリア・ロザリー・ゼルードは、「21世紀東アジア青少年大交流計画」の国際交流基金「東アジアクリエーター招へいプログラム」により招へいされました。