[タイ]
忘れないで!
Don't Forget MeYa Lerm Chan
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タイ/2003/タイ語/カラー、モノクロ/ビデオ/10分
監督、編集、製作:マナットサック・ドークマーイ
提供:タイ・フィルム・ファウンデーション
1976年10月タマサート大学、集会の学生たちを警察・軍部が弾圧し、赤狩りの名目のもと、大量の学生たちが虐殺された「血の水曜日」の映像。「黄色い葉の精霊」と呼ばれていたタイ北部の少数民族について、60年代の民族学的映像資料に使われていたナレーションの声。「Don't Forget Me」という軽快なラブソングに乗って、ふたつのアーカイヴが乱反射し、映し出す、人々の記憶から抹殺された両者の存在。強烈な色彩、フッテージ、字幕を絶妙に重ね合わせたアート・アーカイヴ・ドキュメンタリー。
【監督のことば】多くの人がそうであるように、1976年10月6日のタマサート大学でおきた虐殺が、どのようにして起き、その背景に何があるのか、私もほとんど知らなかった。思い出すのも語るのもつらい出来事だから、人々は忘れてしまいたいのだ。真実を語るのは難しいが、だからこそ、人々がこの出来事を忘れないよう、私は願う。
マナットサック・ドークマーイ 1974年生まれ。セント・ジョン職業訓練高校卒業。現在は、タイ国立フィルムアーカイヴのスタッフとして働きながら、スコータイタマティラート大学でコミュニケーション・アーツを勉強中。2000年から9本の短編実験映画を製作。本作は、2003年タイ短編映画祭でラット・ペスタジー賞を受賞し、タンペレ短編映画祭、プサン・アジア短編映画祭、オーバーハウゼン国際短編映画祭など、数々の映画祭で上映されている。 |