[台湾]
25歳、小学二年生
The Spirit of 825歳、國小二年級
-
台湾/2003/北京語、台湾語/カラー/ビデオ/60分
監督、撮影、編集、製作、提供:李家驊(リー・ジアホア)
8歳の時に自分が起こしたある事件がトラウマなままに成長してきた25歳の監督。子どもならありえる些細なことのようであっても、執拗なまでに当時のことを家族や友人、先生に問い続ける。カメラを使って過去を再構成するかのごとく、「不名誉だ」という家族の目を気にして培った自己嫌悪と決別しようとする。時には自分に涙し、自身の傷を開き、そして癒していく。映画製作を学んで手にしたのは、封印してきた“自身”だった。さて、ここからどこへ向かうのか。
【監督のことば】大学院の制作課題のおかげで、ずっと大人になりたくなかった僕は、8歳の時から閉ざされた記憶の扉をついに開けることになった。こうして始まった自分探しは、12カ月後、1本の映画と、それをいくつかの映画祭で上映する貴重な機会へと結晶した。僕はあらためて人々と出会い、自分自身とも出会うことになった。だが考えてみれば、こうした変化が望ましいものだったのか否か、今の僕には何とも言いがたい。
いつかは明かりが点り、映画には幕が下ろされ、劇場から人は立ち去る。けれど本当の生活のなかでは物語はただひたすら続いていくしかない。
そう、それが人生というものなのだろう。
李家驊(リー・ジアホア) 1978年、台北生まれ。台湾の国立政治大学広告学部、台南藝術学院卒業。現在は台南藝術学院博士課程に在籍し、インディペンデント・ドキュメンタリー作家としても活動。作品歴として『Mood of Fencing』(2002)、『The Diary in Front of the President's Office』(2005)などがある。 |