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審査員
張律(チャン・リュル)


-●審査員のことば

 映画を撮ることとは、すでに知っている何かを撮りに行くことではなく、知っていることと知らないことの間に存在する何らかの関係を探しに行くことだ。劇映画がそうであり、ドキュメンタリー映画もまた同様である。


張律(チャン・リュル)

1962年、中国 延辺朝鮮族自治州生まれ。2004年に初の長編『唐詩』(2003)で監督を務め、これがロカルノ国際映画祭に出品されたことを機に、中国語と韓国語を併用する映画監督としてのキャリアを開始する。 これまでに10本以上の長編監督作品があり、第2作 『キムチを売る女』(2005)はカンヌ国際映画祭批評家 週間でACID/CCAS賞を受賞。ベルリン国際映画祭では『風と砂の女』(2007)、『豆満江』(2010)、『福岡』(2019)といった長編作がプレミア上映され、最新作『白塔の光』(2023)は第73回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に選出された。



白塔の光

The Shadowless Tower
白塔之光

中国/2023/中国語/カラー/DCP/144分

- 監督、脚本:張律(チャン・リュル)
撮影:朴松日(ピァオ・ソンリー)
編集:劉新竹(リウ・シンジュー)
音楽:小河(シャオ・ホー)
出演:辛柏青(シン・バイチン)、黄堯(ホアン・ヤオ)、 田荘荘(ティエン・チュアンチュアン)
製作:徐佳含(シュー・ジャーハン)、彭瑾(ポン・ジン)
製作会社:Shanghai Lu Films Co., Ltd.

中年のフードライター グー・ウェントンは、年下のカメラマン オヤンとともに活気ある北京の飲食店を食べ歩いている。離婚後6歳の娘を姉夫婦に預けているグーは、かつてうちこんだ詩作に未練を持ちながら、自分のこれまでの人生の失敗を見つめ直し、新しい生き方を模索する。消息不明だった父、疎遠だった元妻との再会と別れを経験する中、季節が巡っていく。北京の街角にあるチベット仏教の 白塔(パゴダ)はそれを見守るように変わらずにそこにたたずんでいる。