羊飼いのバラード
Shepherds' Journey into the Third MillenniumHirtenreise ins dritte Jahrtausend
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スイス/2002/スイス・ドイツ語、ドイツ語/カラー/35mm(1:1.66)/124分
監督、撮影、編集、製作:エリッヒ・ラングヤール
録音:シルヴィア・ハーゼルベック
音楽:ハンツ・ケンネル
製作会社、配給:ラングヤール・フィルム・プロダクション
Langjahr Film GmbH
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スイスの羊飼い一家の日々の営みをアルプスの山々を背景に描く。何百頭もの羊の群れ。雪のなか牧草を求めてさまよい、車が行き交う道路を横断する。子羊の出産とそれを見つめる妻や子ども、乳搾りやパン作りの毎日。世界最古の職業のひとつであるといわれる羊飼いの、実際は過酷な労働でもある生活を見つめる。
【監督のことば】『羊飼いのバラード』は、人類および人間の生存に関する根本的な問題をとらえた『アルプス・バラード』や『Bauernkrieg』に続く三部作の完結編となっている。主たるテーマはアイデンティティ、生存、そして未来についてである。
羊飼いという生き方は、人類最古の文化的生活形式のうちのひとつといえる。その本質には、今日でさえ経済的な意義があり、また、その生き様は明確なライフスタイルおよび世界観を具体的に表現している。私は、第三千年紀が始まったばかりの現在の羊飼いの生き方を知りたいと思うようになっていた。伝統と未来の間で価値観が大きく変化するこの時代において、本作は私自身の内部矛盾を表現してもいる。
私はこの作品の中で、季節の変化にしたがって草が残る牧場を目指して群れを追っていく現代の羊飼いを、遊牧に焦点をあてて描いた。作品に登場する羊飼いたちは、困窮生活を選ぶこともあれば、自らの能力の限界に達する難題にしばしば直面もする。彼らは農民出身ではないのだが、意義深い人生を送る自由を求めて、自らその生活を選んでいるのだ。
エリッヒ・ラングヤール 1944年、スイス、ツーク生まれ。1971年にインディペンデント映画の製作を開始。『Ex Voto』(1986)でニヨン国際映画祭審査員賞、ライプツィヒ国際記録アニメーション映画祭国際審査員特別賞、リミニ映画祭ベストヨーロピアンフィルム賞を受賞。『Männer im Ring』(1990)でも、ライプツィヒ映画祭国際審査員賞、ストラスブール人権映画祭でドキュメンタリー・グランプリを獲得。『アルプス・バラード』(1996)は、ドイツ連邦環境省特別賞を受賞、YIDFF '97のコンペでも上映された。『Bauernkrieg』(1998)で再度ドイツ連邦環境省特別賞を与えられ、ライプツィヒ映画祭ではエキュメニカル賞を受賞。本作もまた2002年ライプツィヒ映画祭にて金鳩賞、エキュメニカル賞、およびドン・キホーテ賞(国際シネクラブ連盟賞)の3賞、2003年のスイス映画賞でベスト・ドキュメンタリー賞を獲得している。 |
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