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ホセイン・ヤヴァリ

Hossein Yavari

イラン/1973/ペルシャ語/モノクロ/DVD(原版:16mm)/17分

監督:ホスロ・シナイ
撮影監督:フェレイドゥン・ガヴァンル
協力:アリアナ・ファルシャド、アボルファズル・パルヴァニ、モスタファ・ハズラティ、パルヴィズ・ソレイマニ、モハマドレザ・ファルハルマンド
製作会社:イラン国営ラジオ・テレビ
提供:ホスロ・シナイ

ウィーンで音楽教育を受けたホスロ・シナイが、ネイ(笛)奏者を被写体に、芸術家の佇まいと音楽の魅力を捉えた作品。古びた家に一人で暮らす奏者の語り口は詩のようで、ネイの音と相俟って幻想的な世界を描き出す。奏者の語りに触発され、作家自身がうさぎを詠んだ詩で終わる。前衛的ドキュメンタリーとドキュメンタリー・ドラマの作家として高い評価を受けるホスロ・シナイが70年代に制作した実験的作品。



借家

Tenancy
Ejarehneshini

イラン/1982/ペルシャ語/モノクロ/デジタル・ファイル(原版:16mm)/42分

監督:エブラヒム・モフタリ、ケイヴァン・キアニ
撮影:アタ・ハヤティ、ファルハド・サバ
編集:パリチェフル・モムタヘン
録音:A.R.ケルマニ、M.サマク・バシュ
リサーチ:M. M. ハッバザン
製作:ハサン・ミリ、アッバス・シャケリ
製作会社:イラン国営放送
提供:エブラヒム・モフタリ、イラン国営放送

イラン・イスラーム革命直後に国営放送により製作された、都市の住宅事情をテーマにしたテレビシリーズ「SHELTER」の1本。パフラヴィ王制末期に成立した借家法により、大家の要求があればいつでも住人を立ち退かせることが可能になり、革命後もその法律は引き継がれていた。この作品で、エブラヒム・モフタリは、大家が住人に立ち退きを迫る現場を訪ねて騒動の様子をカメラに収めた。役所の担当者も交えた交渉の一部始終は、のちに社会正義について議論を巻き起こし、借家法が改正される契機となった。この作品は、革命後の混乱期に製作され、スカーフを被っていない女性が被写体になっているためか、海外でしか上映されていない。



第1のケース…第2のケース

First Case . . . Second Case
Ghazieh Shekl-e Aval, Ghazieh Shekl-e Dovom

イラン/1979/ペルシャ語/カラー/DCP(原版:16mm)/53分

監督、編集:アッバス・キアロスタミ
撮影監督:バハルル
録音:チャングイズ・サイヤド
製作会社:児童青少年知育協会(カヌーン)
配給:MK2フィルムズ

ある学校で、先生が黒板に向かっている間に騒音を立てたいたずら者の生徒。先生は犯人を含め後列に座る7人を廊下に立たせる。先生は彼らに対し、犯人を教えたら授業に戻れるという条件を与える。キアロスタミは、誰も口を割らないケース1、ひとりが犯人の名を先生に告げるケース2を提示し、それぞれのケースに対する識者たちの意見をカメラに収める。生徒たちが演じる2つのケースと、さまざまな識者のインタビューにより、善悪や倫理に関する多様な視点を浮かび上がらせる。イラン・イスラーム革命の時期に作品が制作されたため、その後の混乱の中で国内外での上映が長らく禁止されていたが、パリとボローニャのラボでの修復を経て、今年世界に公開された。