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白と黒

Black and White
Siyah va Sepid

イラン/1972/ペルシャ語/モノクロ/デジタル・ファイル(原版:35mm)/4分

監督、脚本:ソフラブ・シャヒド・サレス
プロット::アザデ・アッバシファル
撮影:メフルダード・ファヒミ
出演:サイード・ゼフニ、ハビボッラ・アクバリアニ、ジャファル・ゼフニ
製作会社、提供:児童青少年知育協会(カヌーン)

ソフラブ・シャヒド・サレスがカヌーンで制作した実験映画。コマ撮りによる短編実写映画で、白と黒の衣装に身を包んだ人物たちがフレーム内を縦横無尽に動き回る。対称的な二色で表現されるのは、生き生きとした活動的なエネルギーと創造性である。



ありふれた出来事

A Simple Event
Yek Ettefagh-e Sade

イラン/1973/ペルシャ語/カラー/DCP(原版:35mm)/80分

監督:ソフラブ・シャヒド・サレス
脚本:オミド・ロウハニ、ソフラブ・シャヒド・サレス
撮影:ナギ・マスーミ
編集:カゼム・ラジニア
出演:モハンメド・ザマニ、アネー・モハンマド・タリヒ、ハビボッラ・サファリアン、ヘダヤトッラ・ナヴィド
製作:文化芸術省
提供:イラン国立映画アーカイヴ

イラン北部の町バンダル・シャーを舞台に、酒飲みの父、病弱な母と暮らす少年の日常を描いたシャヒド・サレス初の長編劇映画。少年は、父の密漁の手伝いと病気の母の世話に追われて小学校に遅刻し、休み時間には友人たちの遊びに加われず先生に補習を受けている。やがて母は他界するが、残された少年と父親の日々は変わることなく続く。フィックスによるロングショット、ロングテイクを生かした丁寧な描写が、少年一家の過酷な「ありふれた日常」を 生々しく浮かび上がらせ、世界的な評価を得た。



静かな生活

Still Life
Tabiat-e Bijan

イラン/1975/ペルシャ語/カラー/デジタル・ファイル(原版:35mm)/94分

監督、脚本:ソフラブ・シャヒド・サレス
撮影:フーシャング・バハルル
編集:R. エマミ
美術:モルテザ・モマイェズ、フーシャング・バハルル
出演:Z. ボニヤディ、Z. ヤズダニ、H. サファリヤン
製作:パルヴィズ・サイヤド
製作会社:進歩的映画製作者共同組合、Telfilm
提供:イラン国営放送

シャヒド・サレスの長編劇映画第2作。住み込みで踏切の管理をする鉄道員の老人は、突然やってきた役人に定年を告げられ、後任の若い鉄道員に宿舎の明け渡しを迫られる。11日間のロケ撮影で制作された本作は、役者に素人を起用し、フィックスによるロングショットおよびロングテイクと、音楽を排した静謐なリアリズム描写により、つつましく暮らす鉄道員老夫婦の「静かな生活」を活写し、ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞した。イラン国内での上映で好評を博したが、次回作の撮影許可を得ることができず、シャヒド・サレスは国を離れてドイツに移住し、二度とイランで制作することはなかった。『ありふれた出来事』とともに、「イラン・ニュー・ウェーブ」を代表する作品として、のちの作家たちに大きな影響を与えた。