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台湾コラボ・プロジェクト
同じ空気を吸い、同じ時間を生きる

2021年10月−2022年2月

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人との距離を守れと促されるコロナ禍が長引くなか、同じ空間をシェアする共生の意味を、台湾と日本のドキュメンタリー映画を通して考察する上映&ディスカッションの連続企画。台湾国際ドキュメンタリー映画祭を主催する「台湾映画と視聴文化センター(TFAI)」とYIDFFが、YIDFF 2021(2021年10月)から、アジアのドキュメンタリー制作者が集うアーティスト・イン・レジデンス「山形ドキュメンタリー道場4」の開催時期(2022年2月)まで、毎月オンラインで上映とトークのイベントを開催します。

協力:台湾文化部、台北駐日経済文化代表処台湾文化センター、
台湾映画と視聴文化センター(TFAI)

ともに集い、感じ、考えるために

コロナ禍は世界の政治・経済をゆるがし、すべての人の社会生活に大きな変化を強いている。特に影響が大きくボディブローのように長期的に現代社会の基幹に刻印を残すと思われるのが、人と人の物理的な接近の忌避、いわゆるソーシャル・ディスタンスだ。都道府県をまたぐ「人流」は抑止、外国との行き交いは制限され、国境をまたぐ往来には隔離や検査の負担をはじめ多くの障壁が設けられた。不特定多数の人が集まる場の創出は非難された。

このなかで、世界の映画祭は、ストリーミングやビデオ会議を活用してオンラインやハイブリッド形式の運営に切り替え、映像作家が丹精を込めて完成させた映画作品を観客に届ける努力を続けてきた。しかし観客がそれぞれの部屋に分断されてモニターに向かうかたちは、私たちの知る映画祭のありようとはだいぶ違う。多くの見知らぬ人びとがスクリーンのもとに集い、映画を通して考え、感じ、世界の現実や創造力について語り合うリアルな場であった映画祭の、何か本質的なものが欠落してしまっていることは、誰もが同意するところだろう。

今回、台湾国際ドキュメンタリー映画祭(TIDF)と山形国際ドキュメンタリー映画祭(YIDFF)というアジアのふたつのドキュメンタリー映画祭のコラボ・プロジェクトでは、オンライン開催への移行を余儀なくされた国際映画祭の葛藤から出発し、台湾と日本のドキュメンタリー映画の連続オンライン上映とトークセッションを通して、人と人が同じ物理的な空間に集い、互いの姿を見て感じ、話や沈黙に耳を傾けることの意味を考える。

「対面」とは、予測できない偶発性や暴力性に身をさらすことであるが、見知らぬ世界の発見の喜びや、長時間の共有から生まれる共感が醸成される場でもある。人と人との接触を減らし、隔離したり身内だけの世界に閉じ込めることが長く続くことによって、世界の多様性の豊かさに目が届かなくなり、無知からくる無自覚な差別を加速させることにならないだろうか。

人びとの交流が思想や感情を刺激し、新しい文化や技術の革新を生みだすことは、文明史が証明している。本プロジェクトでは、台湾と日本のドキュメンタリー映画を通して、このテーマをさまざまな観点から追及する。

 


YIDFF 2021にて

  • オンライン・トークイベント 2021年10月11日(月)11:00−12:30
    今年のアジア千波万波で上映される台湾映画2作はどちらも、ヴェトナム人の移民労働者が見えない存在とされる状況を、それぞれ対照的な方法で描いている。日本プログラムの『へんしんっ!』は自ら車椅子生活を送る監督が映画作りを通して身体の表現を発見していく。トークイベントでは監督たちがオンラインで集い通訳を介しながら、同じ空間と社会で共生する意味をあらためて話し合う。

    出演:
    蘇育賢(スー・ユーシェン)(『駆け込み宿』監督)
    曾文珍(ツォン・ウェンチェン)(『異国での生活から』監督)
    石田智哉(『へんしんっ!』監督)
    進行:林木材(ウッド・リン)(台湾国際ドキュメンタリー映画祭プログラム・ディレクター)

今後のプログラム

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詳しくはこちら TIDF Webサイト:「同じ空気を吸い、同じ時間を生きる」