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アジア千波万波

応募総数:63の国・地域より645作品

106日−10日 [会場]フォーラム5〈F5〉、3〈F3〉、4〈F4〉

荒削りでもキラリと光るアジア21作品と、招待2作品。場所や時を軽やかに超え、作り手の想いが交錯する自由なアジアの世界へ、いざ!

(製作国アルファベット順)

アジア千波万波 特別招待作品

審査員
テディー・コー(フィリピン/映画研究者、アーキビスト)
塩崎登史子(日本/映像作家)

   A   

- パムソム海賊団、ソウル・インフェルノ
Bamseom Pirates, Seoul Inferno
韓国/2017/119分
監督:チョン・ユンソク Jung Yoon-suk

韓国社会の様々な問題と接点を持ちながら、若者の閉塞感をシャウトするグラインドコア・バンド、パムソム海賊団。しかし2012年、友人/プロデューサーが国家保安法で逮捕され……。

6日20:50〈F5〉 | 7日16:20〈F3〉



   B   

- カーロ・ミオ・ベン(愛しき人よ)
Caro Mio Ben (My Dear Beloved)
中国、シンガポール/2017/118分
監督:蘇青(スー・チン)、米娜(ミーナー) Su Qing, Mina

視力や聴力に障がいを持つ子どもたちが通う学校の日常世界。思春期を迎える少女たちそれぞれの心の揺らぎを見つめる。『白塔(YIDFF 2005 アジア千波万波)の蘇青、米娜作品。

8日13:15〈F5〉 | 9日13:10〈F3〉



   C   

- 翡翠之城
City of Jade
台湾、ミャンマー/2016/99分
監督:趙德胤(チャオ・ダーイン/ミディ・ジー) Midi Z

ミャンマー北部、政府軍とカチン独立軍との断続する戦争のただ中で翡翠を採掘する兄と仲間たち。家族や兄との関係を語りながらカメラを向けていく。

7日10:45〈F3〉 | 9日19:30〈F5〉



   D   

- ドロガ!
Droga!
アメリカ、フィリピン/2014/8分
監督:ミコ・レベレザ Miko Revereza

アメリカ文化とタガログ語が混ざり合い、アメリカに住むフィリピン人のある存在証明。スーパー8フィルムに焼き付けられた監督の心の中を覗き込んでみる。



- ディスインテグレーション 93−96
Disintegration 93-96
アメリカ、フィリピン/2017/6分
監督:ミコ・レベレザ Miko Revereza

監督の家族がロサンゼルスに移り住んだ90年代のホームビデオから滲む不安と郷愁、そして今。アメリカで「融合されない」存在が、映像となって突進する。



- 創造の発端 ―アブダクション/子供―
The Beginning of Creation: Abduction / A Child
日本/2015/18分
監督:山城知佳子 Yamashiro Chikako

ダンサーの川口隆夫による舞踏家の故・大野一雄の伝説的な舞台の再現。作者の視線は、立ち現れた得体の知れない剥き出しの身体に密着する。



- 肉屋の女
A Woman of the Butcher Shop
日本/2016/27分
監督:山城知佳子 Yamashiro Chikako

米軍基地があるために開発を免れた浜に漂着した肉塊を解体し、売る女。肉に群がる男たち。現実と創作を往き来しながら、沖縄の今が描き出される。

6日15:30〈F5〉 | 8日13:00〈F3〉



   E   

- 中国街の思い出
In Memory of the Chinatown
台湾/2016/30分
監督:陳君典(チェン・ジュンディェン) Chen Chun-Tien

台南市、再開発で取り壊される住宅と商店街が同居する「中国城」。廃墟のような建物の呼吸とかつての住人の記憶が呼応する。



- 人として暮らす
The Slice Room
韓国/2016/69分
監督:ソン・ユニョク Song Yun-hyeok

生活困窮者が身を寄せ合って暮らすチョッパンが再開発で消えようとしている。監督はそこで生活しながら、生活保護制度のひずみも浮かび上がらせる。

6日14:20〈F3〉 | 7日10:30〈F5〉



   F   

- 風のたより
On to the Next Step: Lives After 3.11
日本/2015/180分
監督:田代陽子 Tashiro Yoko

2011年の震災後の2年間、北海道・大沼の山田農場、洞爺湖畔のパン屋、大沼対岸の青森・大間の漁師。原発への不安を抱きながらの生活を丹念に追う。

7日16:40〈F5〉 | 9日19:10〈F3〉



   G   

- ノカス
Nokas
インドネシア/2016/76分
監督:マヌエル・アルベルト・マイア Manuel Alberto Maia

西ティモール、クパン。結婚を控えたノカスは、持参金など家同士の「結婚」事情に翻弄されながらも、たくましい姉や母の力を借りて実現に向けて動く。

6日10:30〈F5〉 | 8日15:40〈F3〉



   H   

- 猫、犬、動物、そしてサシミのこと
Of Cats, Dogs, Farm Animals and Sashimi
フィリピン/2015/78分
監督:ペリー・ディゾン Perry Dizon

ミンダナオ島、ザンボアンガのゴム農園などを転々としながら成長したドンドン。家族のこと、将来を思い悩む少年の言葉をカメラは拾いながら、村の生活を淡々と描く。

6日13:00〈F5〉 | 8日10:30〈F3〉



   I   

- くるまれた鋼
Rubber Coated Steel
レバノン、ドイツ/2017/19分
監督:ロレンス・アブ・ハムダン Lawrence Abu Hamdan

2014年、イスラエル兵がパレスティナ人の若者2人を撃った事件。その弾丸をめぐる法廷での審理記録や銃声の解析図から沈黙の裁判が立ち現れる。



- ウラーッ!
Hurrahh!
韓国/2011/75分
監督:チョン・ジェフン Jung Jae-hoon

一人の人間の肉体が、個体性を少しづつ侵食されながら、同時に氾濫の時を伺っている。不穏な空気とともに、叫びがこだまする、ある男の家と仕事の往復。

6日17:40〈F5〉 | 8日20:50〈F3〉



   J   

- 自画像:47KMに生まれて
Self Portrait: Birth in 47 KM
中国/2016/102分
監督:章梦奇(ジャン・モンチー) Zhang Mengqi

中国の田舎の風景に、厳しい人生を送ってきた腰を曲げて歩く老女と若い女性。時にパフォーマンスを交えた、『三人の女性の自画像(YIDFF 2011 アジア千波万波)の章梦奇作品。

7日13:50〈F5〉 | 9日16:20〈F3〉



   K   

- 夜明けの夢
Starless Dreams
イラン/2016/76分
監督:メヘルダード・オスコウイ Mehrdad Oskouei

少女たちが更生施設で迎える新年。彼女たちにとって塀の外の世界とは? 『母の家は入り江(YIDFF 2001 アジア千波万波)のメヘルダード・オスコウイ作品。

7日20:50〈F5〉 | 9日10:45〈F3〉



   L   

- このささいな父の存在
This Little Father Obsession
レバノン/2016/103分
監督:サリーム・ムラード Selim Mourad

家も家系も引き継げないゲイである監督が、父を、家族を、伝統を、耽美とユーモアで挑発する。『髪を切るように(YIDFF 2011 アジア千波万波)のサリーム・ムラード作品。

7日19:30〈F3〉 | 9日16:30〈F5〉



   M   

- そこにとどまる人々
Those Who Remain
レバノン、アラブ首長国連邦/2016/95分
監督:エリアーン・ラヘブ Eliane Raheb

シリアとの国境に近いレバノン北部で食堂を営み、変わりゆく村に留まり続ける男の思いが刻まれる。『されど、レバノン(YIDFF 2009 アジア千波万波 奨励賞)のエリアーン・ラヘブ作品。

8日18:10〈F3〉 | 9日13:45〈F5〉



   N   

- あまねき調べ
Up Down & Sideways
インド/2017/83分
監督:アヌシュカ・ミーナークシ、イーシュワル・シュリクマール Anushka Meenakshi, Iswar Srikumar

ミャンマーとインドの国境近くのナガランドの農村に響く、協働のコール&レスポンス。田畑も、恋も、友情も、苦い記憶も、皆が歌とともにある。

7日13:40〈F3〉 | 8日10:45〈F5〉



   O   

- 長江の眺め
A Yangtze Landscape
中国/2017/156分
監督:徐辛(シュー・シン) Xu Xin

揚子江を上海から宜賓(イビン)まで遡っていく。それぞれの地での事件を字幕で表わし、移り変わる風景のなか沿岸で生活する人々を描く、ゆったりとした映画的時間。

6日18:00〈F3〉 | 8日16:30〈F5〉



   P   

- 乱世備忘 ― 僕らの雨傘運動
Yellowing
香港/2016/128分
監督:陳梓桓(チャン・ジーウン) Chan Tze-Woon

香港、雨傘革命。警官たちとの対峙や衝突のなかで、参加する若者たちの視点に立ち、彼らの日常会話に耳を傾け、感情の喜怒哀楽を素直に伝える。

6日11:00〈F3〉 | 8日20:20〈F5〉




アジア千波万波 特別招待作品

映画のない映画祭
A Filmless Festival
中国/2015/80分
監督:王我(ワン・ウォ) Wang Wo

2014年8月、宋荘の北京インディペンデント映画祭が開催前日、当局によって閉鎖された。集まった監督や観客などが撮影した映像を集め、事の顛末を記録した。

6日15:20〈F4〉 | 10日10:30〈F3〉



カット
Cuts
インドネシア/2016/70分
監督:ハイルン・ニッサ Chairun Nissa

『空を飛びたい盲目の豚』の監督(エドウィン)とプロデューサーが、インドネシアの法律で義務づけられている検閲申請を行い、ベールに包まれた過程を記録する。

6日13:00〈F4〉 | 10日14:00〈F3〉




アジア千波万波特別企画:ロックスリーの館

助成:国際交流基金アジアセンター アジア・文化創造恊働助成

[会場]山形市民会館小ホール〈CS〉、旧西村写真館

 1989年の「アジアの映画作家は発言する:アジアシンポジウム」に参加して以来、アジア・プログラムでの上映のみならず、映画祭ティーザーポスターや先付け、Tシャツなど映画祭グッズにも作品が登場し、山形映画祭とはなじみの深い、フィリピン出身アニメーター/パフォーマー/映像作家のロックスリー。今年制作された新作と共に、過去の作品も上映し、旧西村写真館ではドローイングなどの作品も展示。

ロックスリー・スペシャル 10日15:00〈CS〉
作品展 6日―1112:00-17:001210:00−13:00 旧西村写真館