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[ミャンマー]

鳥が飛び立つとき

Journey of a Bird

ミャンマー/2021/ビルマ語/カラー/デジタル・ファイル/28分

- 監督:匿名

2021年2月1日、クーデターが世界を一変させた。ひとりの青年の心を諦めの気持ちが支配しだした時、友人のひと言は彼にカメラを持たせた。メディア・グループを立ち上げてミャンマーの現実、今を記録しよう。ポップなセンスでリズムに乗って、彼らなりのスタイルで革命の旅が始まる。一方、理不尽で残酷なことがまかり通る世界が、若者たちの前に立ちはだかる。彼はカメラを通してありのままの表情、感情に寄り添い、友情のしるしをそこに残す。彼らは軽やかに歌い、飛び回る鳥のようだ。羽を休めて、時が来れば、もっと自由に羽ばたける。(NKY)



【監督のことば】クーデターが起こる前、私はただ映画を作るのが好きで、見るのが好きな映画作家だった。当時の私は、最初の長編映画に着手したところだった。そしてクーデターが起こり、映画業界もストップした。すべてのミャンマー人が、希望も夢も失った。

 私はこう考えた。もし最初の長編映画が撮れないのなら、その代わりにクーデターを題材にした最初のドキュメンタリーを撮ろう。そして自分自身を長期間にわたって撮影し、本作が生まれた。

 これは苦闘するミャンマーの若い世代を描いたドキュメンタリーだが、重いドラマにするつもりはない。ただ自然に描きたいだけだ。もちろん、ミャンマー軍事政権の残酷さは、すでに世界中で知られている。しかし、軍事クーデターが私たち若い世代にどれほどの混乱をもたらしたかについても、世界は知っておく必要がある。


映画を見るのも作るのも好きな、とある男性が本作の監督を務めた。映画制作を誰からも妨害されぬように匿名で作品を発表。本作は2022年にクラッパーボー ド・ゴールデン映画祭(ブラジル)で最優秀短編ドキュメンタリー賞にノミネート。 同年、チェファル映画祭(イタリア)、マルチカルチュラル映画祭(トロント)、ホブノベン映画祭(アメリカ)、ディリ国際映画祭(東ティモール)、ブラック・キャット・アワード国際映画祭(ボリビア)、コルカタ・ピープル映画祭(インド)などで上映。