English

アンヘル69

Anhell69

コロンビア、ルーマニア、フランス、ドイツ/2022/スペイン語/カラー/DCP/75分

- 監督、脚本、撮影、編集:テオ・モントーヤ
編集:マチュー・タポニエ、デリア・オニガ
出演:アレハンドロ・インカピエ、カミロ・マチャド、アレハンドロ・メンディガーニャ、フリアン・ダビド・モンカダ、カミロ・ナハル、フアン・エセテバン・ペレス、シャルロット・ソドマ、ビクトル・ガビリア、テオ・モントーヤ
製作:ビアンカ・ワナ、ダヴィド・ウルシュト、テオ・モントーヤ、フアン・パブロ・カストリジョン
製作会社:Desvio Visual, Monogram Film, Dublin Films, Amerikafilm
配給:Square Eyes

同世代のクイア・コミュニティの友人たちと、幽霊の出てくるB級映画制作を故郷コロンビアのメデジンで企画した監督。SNSで「Anhell69」というアカウント名を持つ友人アンヘル(Angel)を主人公に予定していたが、彼は薬物過剰摂取で命を絶つ。2016年の政府と反政府左翼ゲリラFARC間の和平合意は儚く、いまだ確固たる将来は見えない。監督は、自らが横たわる棺を載せた霊柩車でこの暴力的で保守的な街を走りつつ、仲間とともに、夢、恐怖、映画制作の葛藤を回想し、手法を凝らした描写で真摯に生きている「あかし」を映画に刻む。(HH)



【監督のことば】の人生を生きてゆくとは、戦争や宗教や映画について、あるいはカミロ・ナハルやシャルロット、MHやアレハンドロ・パスやフリアン・ダビド、メンディガーニャやフアン・ペレスと出会った頃について語ることと同義である。彼らについて語るとはつまり、みんなで一緒に作ることができなかった映画『アンヘル69』の記憶を呼び起こし、同世代の人たちが自殺やドラッグ、そしてまた現状に異議を投げかけるどんなことも根絶やしにしようとする保守的で暴力的な社会の抑圧のために被った、壊滅的で「未来のない」事態のことを思い出させることだ。今ようやく『アンヘル69』を作ることになるわけだが、それははじめに構想したようなものではなく、生がわれわれにそうすることを許しているような仕方で、つまり私と映画の主要人物たる残された友人たちに許されている仕方で作られることになる。『アンヘル69』とはわれわれの思い出、われわれの記憶、死を前にしたわれわれの生を不滅化するものであり、おそらくは次世代や後の政権への警告でもあるのだろう。


- テオ・モントーヤ

コロンビア メデジン出身の映画監督、撮影監督、プロデューサー。映画作家による作品や実験映画の制作を手がける制作会社「Desvio Visual」を設立し、同社のディレクターも務めている。初の短編映画『Son of Sodom』(2020)は2020年のカンヌ国際映画祭など、国内外の多くの映画祭に出品され、ギリシアのドラマ国際短編映画祭やベルリン・インターフィルム国際短編映画祭で各賞に選出されたほか、クレルモンフェラン国際短編映画祭ラボ・コンペティション部門では審査員特別賞を受賞。本作は初の長編監督作品であり、ヴェネチア国際映画祭批評家週間でワールドプレミア上映された。