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灰色の領域

Zones
Grauzone

スイス/1979/スイス・ドイツ語、ドイツ語/モノクロ/35mm/99分

監督、脚本:フレディ・M・ムーラー
撮影:ハンス・リークティ
編集:ライナー・トリンクラー
録音:フロリアン・アイデンベンツ
音楽:マリオ・ベレッタ、ベオ・エールトリ
美術:ベルンハルト・ザウター
出演:ジョヴァンニ・フリュー、オルガ・ピアッツァ
製作会社:ラング・フィルム、ネモ・フィルム
提供:スイス・フィルムズ

ムーラーによる長編劇映画第一作。37歳のアルフレート・Mは、ある企業の諜報員として働いており、その妻ジュリアは33歳で広告代理店に勤めている。映画は、二人の週末(金曜日の夕方5時から月曜日の12時半に至るまで)に起きる不可解な出来事を描く。頻出するラジオやテレビといったマスメディアは、絶えず謎の疫病について報じ、不安を募らせる。「灰色の領域」とは、寄る辺なき状態のことであり、スイスという中空地帯を示すものでもあるだろう。主人公の趣味がテープ・レコーダーによる音の採集であることや、望遠鏡で向かいのアパートを眺めることに顕著だが、聴覚または視覚を通して事物を把握する行為そのものが強調され、ムーラー作品に共通するテーマが浮かびあがる。



山の焚火

Alpine Fire
Höhenfeuer

link 特別招待作品参照

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『山の焚火』作品資料



緑の山

The Green Mountain
Der grüne Berg

- スイス/1990/スイス・ドイツ語/カラー/16mm/128分

監督、原案:フレディ・M・ムーラー
撮影:ピオ・コラーディ
編集:カトリン・プリュス
録音:フロリアン・アイデンベンツ
製作会社:ベルンハルト・ラングAG
提供:スイス・フィルムズ

『われら山人たち』『山の焚火』と併せて、ムーラーの「山三部作」を成すドキュメンタリー作品。1988年、NAGRA(国立放射性廃棄物管理協同組合)はニトヴァルデン準州ヴェレンベルクに最終廃棄物処理場を建設する計画を発表し、地域住民の抗議団体が形成される。ムーラーは支持者と反対派、特にヴェレンベルクに住むアルプスの農家にインタビューするのみにとどまらず、時間の尺度としては人間の寿命をはるかに超えたスケールの問題を提起することからアプローチを開始する。リサーチと議論は、直接影響を被る人々、ヴェレンベルクで数世代にわたって暮らしてきた家族に焦点を絞る。彼らは、今や自身のルーツと生活の地を奪われることに直面している。ムーラーはこの作品を「子どもたちと子どもたちの子どもたち」に捧げており、次世代に対して責務を負うべき大人たちに問いを突きつける。この文脈において、『緑の山』は8年後に制作される『最後通告』を予告するものだといえよう。


フレディ・M・ムーラー フィルモグラフィ

*特集で上映される作品は太字

1962 マルセル
1965 パシフィック ― あるいは満ち足りた人々
1965 バランス
1965 ジュルヴァン
1966 チコレ
1966 ベルンハルト・ルジンブール
1967 High and Heimkiller
1969 サッド・イズ・フィクション
1969 盲目の男のヴィジョン
1969 スイスメイド ― 2069篇
1972 パッサーゲン
1973 クリストファーとアレクサンダー
1974 われら山人たち ―われわれ山国の人間が山間に住むのは、われわれのせいではない―
1979 灰色の領域
1985 山の焚火
1987 Seeing Through Other Eyes(他者の目を通して見る)
1990 緑の山
1998 最後通告
2004 Downtown Switzerland 〈共同監督〉
2006 僕のピアノコンチェルト
2014 Love and Chance(愛と偶然)