東日本大震災復興支援上映プロジェクト
「ともにある Cinema with Us」
助成:企業メセナ協議会GBFund
3.11。戦争をも上回る未曾有の大震災、予想外の事象の連鎖に足や精神や舌をもつれさせながらも、向き合い、生きてゆく私たち。ある者は行動し、ある者は記録し、ある者は黙り込む。長く続くだろう変化のただ中に、私たちは紛れもなくいる。ここに寄せられた映像は、まさに途上からの混乱と熱意と模索の記録である。3.11と向き合う、主に日本の作品を20数作集めて上映し、監督や被災地での活動家によるシンポジウムや活動報告も併せて行う。
会場:山形市民会館大ホール、フォーラム3、4
10月7日[金]
- 『すぐそばにいたTOMODACHI』
- 監督:セシリア亜美 北島/日本/2011/日本語/95分
311。在日ビルマ人95人が被災地に行きボランティアを行った。様々な事情を抱えながら日本にいるTOMODACHI の行動と思いを映す。
- 『東日本大震災 教訓を次世代へ』
- 監督:赤間信義/日本/2011/日本語/31分
多くの尊い「命」と「日常」が奪われた誰もが想像しなかった受け入れがたい現実。その時……「明と暗」「生と死」を分けたものはいったい何か。 - 『雪海』
- 監督:大竹暁/日本/2011/日本語/60分
塩竈市出身のスキー・モーグル五輪選手・畑中みゆき。略奪や暴動、決して報じられることのない被災地の現実。震災後、避難所を回り、島で暮らす漁師たちと出会い、海に生きることの意味を知る……。 - 『軌跡 ―小名浜0811―』
- 監督:友利栄太郎/日本/2011/日本語/25分
東日本大震災から5カ月。夏の風物詩、花火大会が被災地である福島の小名浜でも行われようとしていた。ひび割れた港から打ち上げられた花火。真夏の夜に降る光の雨。
- 『大津波のあとに』
- 監督:森元修一/日本/2011/日本語/73分
2011年3月11日に発生した東日本大震災。その二週間後の仙台、東松島、石巻を撮影した記録。児童108人中74人が津波にのまれてしまった石巻市大川小学校を中心に描いた。 - 『槌音』
- 監督:大久保愉伊/日本/2011/日本語/23分
故郷の岩手県大槌町が被災、家族も被害に見舞われた監督が、津波に流されることを免れた震災前の貴重な映像を編み込んで綴った詩。
- 『2011年3月18日』
- 監督:アニアス・ワイルダー/日本/2011/日本語、英語/34分
3.11、岩手県釜石の沿岸部を襲った津波、行方不明の友人を探す旅。 - 『二つの悲劇 ― 東日本大震災とスローフード運動』
- 監督:掛川正幸/日本/2011/日本語/24分
「惨状を自分の目で見て、さらに自分にできることを考えた。その結果生まれたのが、この作品だ。」 - 『私たちにできたこと できなかったこと』
- 監督:岡崎孝/日本/2011/日本語/30分
大震災発生以降、山形市内でみられた様々な事象を、人物ではなく、張り紙や看板などを通して解き明かそうとした。
- 『100年の鼓動 ―ハワイに渡った福島太鼓―』
- 製作:ヴィクトリア・ルイン、カル・ルイン/米国/2011/英語/57分
戦前、福島からマウイに移住した人たちが残した太鼓や踊りや歌を守り、次世代に伝えようとする日系アメリカ人を描く。FUKUSHIMAへのエールとして上映する。
10月8日[土]
- 『生命(いのち)― 希望の贈り物』
- 監督:呉乙峰(ウー・イフォン)/台湾/2003/北京語、台湾語/148分
- 『無常素描』
- 監督:大宮浩一/日本/2011/日本語/75分
日付も地名も、人の名も付すことのないこの映画は、未曽有の大地震と津波の跡を、そして、その後もなお続くいとなみを、決して情報に還元することなく、スクリーンに映しだす。
- 『檜枝岐歌舞伎 やるべぇや』
- 監督:安孫子亘/日本/2011/日本語/76分
尾瀬の大自然に囲まれた「檜枝岐歌舞伎」を守り続ける情熱と感動の記録。原発事故で世界を震撼させた「FUKUSHIMA」のイメージを払拭し被災地の復興のエネルギーになることを願う。
- なら国際映画祭製作『3.11 A Sense of Home Films』
- 日本/2011/日本語、ほか/75分
河瀬直美監督の呼びかけに応えた世界の20人が描く“A Sense of Home”。
参加監督:ビクトル・エリセ、アピチャッポン・ウィーラセタクン、賈樟柯(ジャ・ジャンクー)、桃井かおり ほか。
- 『なみのおと』
- 監督:濱口竜介、酒井耕/日本/2011/日本語/156分
「今回我々が写した“語り”とは、直裁的な津波の記録映像が“現象の連鎖”であるのに対して、その脅威のなかで人間が何を考え、何を決断したか、そしてその結果はどうなったのかを映し出す“口承記録”です。」
- 『人魚伝説』
- 監督:池田敏春/日本/1984/日本語/35mm/110分
原子力発電所の建設を背景に、陰謀で夫を殺された新妻が一人で復讐のために権力に立ち向かっていく姿を描く。終わりなき殺戮と愛。
10月9日[日]
- 『311』
- 監督:森達也、綿井健陽、松林要樹、安岡卓治/日本/2011/日本語/105分
震災発生から2週間後、森達也をはじめとする4人のドキュメンタリストが被災地に向かった。 これが作品につながるとは誰も思ってはいなかった。ただ、震災を現認すること。それが共通目的だった。
- 『相馬看花 ―第一部 奪われた土地の記憶―』(旧タイトル:『相馬看花 ―第一部 江井部落―』)
- 監督:松林要樹/日本/2011/日本語/111分
「原発事故によって奪われた土地の記憶。人がいない無人の時が続けば、文化だけでなく土地の言葉も失われる。その前に、私は何としてもこの惨状を記録しなければと思ったから映画にした。」
- 『僕のカメラと津波』
- 撮影・編集・監督:R・Vラマニ/製作:PSBT/インド/2011/英語、タミル語、ベンガル語/90分
『あなたはどこ?』(YIDFF 2003)で山形を訪れたインドの映像作家が、2004年のスマトラ沖地震による大津波であやうく命をなくしそうになる。溺れそうになりながら握りしめていたカメラは大破したが、買ってからの4年間で撮りためた映像には機械によって記録された時間の記憶が残っていた。
- 『けの汁』
- 監督:千村利光/日本/2011/日本語/33分
失われつつある日本の地方の文化の魅力を津軽の郷土料理「けの汁」に託して描く。東北へのエールとして「あおもり映画祭」から寄せられた作品。 - 『フレーフレー山田 ―忘れないための映像記録―』
- 監督:御木茂則/日本/2011/日本語/45分
法政大学応援部の被災地山田町での活動記録。『フレーフレー山田』(20分)、『団員たちの思い』(10分)、『山田の夏(仮題)』(15分)の3部構成。 - 『東北芸術工科大学3.11プロジェクト』
- 日本/2011/日本語/約30分
根岸吉太郎学長の呼びかけに応えた9人の学生が、それぞれ、3分11秒のドラマを作った。若い世代は震災とどう向き合おうとしているのか。
- 『まけないタオル 復興コンサート』東北芸術工科大学学生作品
- 監督:岡達也/日本/2011/日本語/17分
山形県最上町に避難している被災者とともに開かれたコンサートの記録。 - 『ナマコオンナ』東北芸術工科大学学生作品
- 監督:加藤拓人、野坂望美/日本/2011/日本語/30分
失恋の痛手から立ち直る姿を、ナマコは溶けても再生するというモチーフに絡めて描く。震災からの復興が底流のテーマ。 - 『こどものみらい いん ふくしま』
- 監督:廣木隆一/日本/2011/日本語/3分
福島出身の映画監督廣木隆一が3分に込めた、いまそこに暮らす子供たちへの思い。 - 『なにゃどやら ―陸中・小子内の盆唄―』
- 監督:平田潤子/日本/2011/日本語/60分
民俗学者柳田国男の心を引きつけた岩手陸中小子内の盆唄そして、漁村の暮らしを辿る旅。やがて3.11が。
10月10日[月・祝]
- 311仙台短篇映画祭映画制作プロジェクト作品『明日』
- 41人の監督たち/日本/2011/日本語/137分
41人の監督たちが、3分11秒という制約の中で、それぞれが3月11日以降の自身と対峙し、葛藤を経て産み出した作品をオムニバス形式で綴る。
10月11日[火]
- 『ミツバチの羽音と地球の回転』
- 監督:鎌仲ひとみ/日本/2010/日本語、英語、スウェーデン語/135分
山口県上関の上関原発計画に向き合う祝島の人々とスウェーデンで持続可能な社会を構築する人々。いかにして自分たちのエネルギーの未来を切り開くのか、その現場からの問いかけである。
10月12日[水]
- 『東日本大震災 東北朝鮮学校の記録 2011.3.15−3.20』
- 監督:コマプレス(朴敦史、朴思柔)/日本/2011/朝鮮語、日本語/67分
震災で校舎が全壊した東北朝鮮初中級学校。直後の被害状況と支援活動を記録し、東北同胞がいかに震災を生き抜いているのかを、ありのまま示す。
シンポジウム
会場:山形美術館3F 第5展示室