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Talking about Japanese Docs
シンポジウム
「地域映画祭の明日を考える 〜マーケットとしての可能性とは〜」


 現在、東北地方では特色ある様々な地域映画祭が開催されています。映画祭は重要な文化事業であると同時に、映画産業の人材育成の場、配給につながる市場であり、地域のみならず、全国のコンテンツ産業の振興に貢献する潜在性を持っています。パネリストに、近年話題の日本ドキュメンタリーのプロデューサーたち、そして東北で映画祭を主催する方々を迎え、映像産業から映画祭に期待すること、映画祭が志すことなど、映画祭と映像産業の結びつきを考えるシンポジウムを開催します。会場からも意見を募る広範な議論となりますよう、皆様のご参加をお待ちしています。

日時:10月8日[月・祝]15:20−17:30
会場:フォーラム5
参加費:無料
主催:東北経済産業局

●パネリスト


- 池谷薫 蟻の兵隊』監督・プロデューサー

第二次大戦敗戦後も中国に残留し、内戦参戦を強いられた日本人兵士たちの現実を描いた『蟻の兵隊』は、東京渋谷の映画館の興行記録を塗り替える大ヒットとなり、今も自主上映の申し込みが全国から届く。海外の国際映画祭でも好評を博し、カナダで劇場配給が始まった。池谷監督はNHKの番組制作を経て、自主制作・自主配給の劇場公開映画を志向した。ドキュメンタリー市場における、テレビと映画の違いについて実体験からお聞きし、映画祭の役割を考える。



- 伊勢真一 花の夢 ある中国残留婦人』プロデューサー

監督として『奈緒ちゃん』、『ルーペ』、『朋あり〜太鼓奏者 林英哲〜』など多くの作品を作る一方、『タイマグラばあちゃん』(澄川嘉彦監督)、『めぐる』(石井かほり監督)、『花はんめ』(金聖雄監督)、『ツヒノスミカ』(山本起也監督)など若手ドキュメンタリストのプロデュースを続ける。2003年来、大阪市の阿倍野ヒューマンドキュメンタリー映画祭企画委員長を務める。いせフィルム作品のほとんどは劇場で公開しているが、その経験から日本の興行と地方配給の課題についてお聞きし、制作者が地域映画祭にどのようなメリットを感じるのか考える。



- 安岡卓治 ガーダ パレスチナの詩』プロデューサー

日本映画学校の教員として『あんにょんキムチ』(松江哲明監督)『home』(小林貴裕監督)など学生の作ったドキュメンタリー作品の一般公開に尽力する一方、オウム真理教を内部から描いた『A』『A2』(森達也監督)、テレビ報道では伝わらない戦時下のイラク市民を見つめた『Little Birds イラク戦火の家族たち』(綿井健陽監督)、パレスチナの女性の生涯に寄り添う『ガーダ パレスチナの詩』(古居みずえ監督)など話題のドキュメンタリーを積極的にプロデュースしている。世界の映画祭にも詳しい安岡さんには、プロデューサーとしての映画祭の利用価値と山形映画祭に期待することをお聞きする。



- 川嶋大史 @ffあおもり映画祭実行委員会 本部事務局代表

青森県出身。広告制作会社、映画制作会社、テレビ局勤務を経て、1988年に青森県へUターン。新聞販売店経営の傍ら、縄文、格闘技、映画、ねぶたと青森県をテーマに様々なイベントを企画・運営する。平成3年度毎日郷土提言賞優秀賞受賞。1991年より「あおもり映画祭」を主宰。2007年「@ff第16回あおもり映画祭」より、青森県内5フィルムコミッションを含む全15団体が加盟する全国的にも珍しい全県的なネットワーク組織に移行する。



- 高橋卓也 山形国際ドキュメンタリー映画祭 事務局長

1989年の第1回目山形映画祭にボランティアスタッフとして中心的な役割を担い、2005年より事務局の正規スタッフとして映画祭の常駐となる。映画祭がNPO法人となった2007年春より「非営利活動法人山形国際ドキュメンタリー映画祭」の事務局長に就任。



●司会:藤岡朝子 コーディネーター