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ヤマガタ・ラフカット!

助成:国際交流基金

[会場]Q1 やまがたクリエイティブシティセンターQ1 2-B、2-C

 「ラフカット」とは、映画や映像作品が完成する前の粗編集版(未完成)の状態を指す。このプログラムは、作品に満たない短い映像を上映し、見て、感じ、語り、聞く場を作ることを目的としている。「ヤマガタ・ラフカット!」は、映画の「完成」という枠組みをときほぐし、荒々しく削りだした世界の断片(ラフカット)を頼りに、世界 中から映画祭に集う制作者、観客、批評家、研究者など、あらゆる立場の人びとがジャンルを超えて交わる場から「映像そのもの(フッテージ) 」との「対話」の可能性を模索する試みである。

上映とディスカッション
サイアクだったあの日(仮)監督:コニチャ・タプミン、トルプン・カンタモール(タイ) 13Q1
60年前、にビュミボルダム建設のために移住移動を強いら要された祖父母。彼らは今、ユアム川の利水事業多様性計画によって、再度家を追われる脅威に直面している。

ハイドロマンティック(仮)監督:キム・ソンウン(韓国) 13Q1
火山岩からなる済州島を満たす水の流れを辿りながら、地質学的、歴史的、そして神話的な時間をまたぐレジリエンス(不屈の力)を描き出す。洞窟を訪ねその中に入っていくと、眠っていた記憶(軍事化と搾取)が音を通して浮かび上がることになる。

正院にて監督:阿部修一郎(日本) 14Q1
2024年1月1日に発生した能登半島地震の影響を受けて、現在各地で建物の公費解体が急速に進んでいる。石川県珠洲市でも、街並みは目まぐるしく変化している。うつろいゆく風景と、繰り返される日々の生活の断片を記録する。

街の風監督:安楽涼(日本) 14Q1
西葛西の駅前で41年間営業を続けた「しゃぶ玄」の閉店が決まった。自身が生まれ育った街で愛された場所にカメラを向けその消えていく姿を監督は記録しようとする。


トークセッション
国際共同製作の“ブーム”はインディペンデント映画作家にとって福音となるのか?

国際共同製作を奨励する動きが、ヨーロッパ諸国以外のエリアでも年々浸透し始めている。新たな共同製作環境が世界的に形成されつつあるといえる。しかしながら、インディペンデントな映画製作における課題は依然として存在する。この“共同製作ブーム”によって、いかにしてインディペンデントな映画製作は助けを得ることができるか? 登壇者らの経験や事例をもとにその可能性を探る。

登壇者:セルジュ・ラルー(プロデューサー/『Below the Clouds(英題)』[2025、YIDFF 2025]、『最初の54年間 ― 軍事占領の簡易マニュアル』[2021, YIDFF 2021]、『国境の夜想曲』[2020、YIDFF 2021]、『死霊魂』[2018、YIDFF 2019])、マイ・メクサワン(プロデューサー/『偽りの森』[2010、YIDFF 2011]、『稲作ユートピア』[2009、YIDFF 2009])、渡邉一孝(本プログラム・コーディネーター)

[日時]1014日[火]16:00−18:00
[会場]やまがたクリエイティブシティセンター Q1 2-C