やまがたと映画
助成:公益財団法人図書館振興財団、一般財団法人川村文化芸術振興財団
特別協力:株式会社ヨコシネディーアイエー、近代建築山形ミュージアム委員会、八戸工業大学感性デザイン学部
特別協力:株式会社ヨコシネディーアイエー、近代建築山形ミュージアム委員会、八戸工業大学感性デザイン学部
[会場]F1 F3 フォーラム山形1、3、Q1 やまがたクリエイティブシティセンターQ1 2-B、旧吉池医院
山形にまつわる映像文化を紹介するプログラム。映画祭草創期の記録映像や映画、発掘されたホームムービーを今見つめなおす。
映画の都2025プロジェクト
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当映画祭の第一回目、1989年。その準備・開催を記録したドキュメンタリー『映画の都』(1991)をまとめる際、落とされてしまった主題があった。映画祭を盛り立てようと立ち上がった地元山形の市民ボランティア「YIDFFネットワーク」の活動である。この度、未公開の撮影ネガフィルム約13時間のデジタル化が実現し、幻の粗編集版(4時間半)が高精細に甦った。さらに、小川紳介、田村正毅ら小川プロが、山形市中央公民館ホールで追加撮影した特撮シーンの現場記録(Hi-8ビデオ)を画質改善し、再構成した短編『ミラーワークス '89』を初公開。上映後にプロジェクトをめぐるトークイベントを開催する。旧吉池医院でも関連展示とイベントを行う。
『映画の都』監督:飯塚俊男/1991/98分 ●15日 F5
『ミラーワークス '89 山形市中央公民館』構成:大江悠太/2025/28分 ●15日 F5
『1990年2月11日 ラフカット上映会――もうひとつの『映画の都』』1991/247分 ●14日 Q1
- 展示:『映画の都』文庫
- [日時]10月11日[土]−13日[月・祝]13:00−19:00 [会場]旧吉池医院
- イベント:『映画の都』のラッシュを見ながらワイワイしよう!
- [日時]10月12日[日]、13日[月・祝]17:00(−19:00) [会場]旧吉池医院
台湾&日本ホームムービー特集 小さな映画、大きな宇宙
- 共催:国家電影及視聴文化中心(TFAI)
ホームムービーとは「家庭の映画」のこと。台湾や日本で、アマチュアカメラマンらが家族を愛情深いまなざしで記録した小型映画を上映する。日本植民地時代の台湾人医師や戦後の台湾人写真家、酒田市の酒蔵社長、山形市の時計店主が撮影した珠玉の映像群が、大正元年に建てられた洋館に甦る。上映中に解説を交えながら、時代や場所を超えて人々をつなぐ“対話のツール”としてのホームムービーの秘められた力を解き放つ。
「台湾ホームムービー」解説・対話:史惟筑/約90分 瑞魚による9.5mm映像(1935−43)、許蒼澤による8mm映像(1960 年代) ●10日、11日 旧吉池医院
「日本ホームムービー」解説・対話:フィルム提供者/約90分 佐藤久吉による8mm・16mm映像(1935−56)、桝谷二郎による8mm映像(1955−70) ●10日、11日 旧吉池医院
「山形×花蓮 1960年代への旅」音楽:林強(リン・チャン)/協力:花蓮影視基地 ●11日 旧吉池医院
- 展示:8mm映写機を触ってみよう!
- [日時]10月10日[土]、11日[日]16:00−20:00 [会場]旧吉池医院
山形から生まれたテレビ・ドキュメンタリーが観たい! YIDFF出張版
- 山形のテレビ局製作によるドキュメンタリー番組を“スクリーン”で観る特集シリーズ。通常はフィルムライブラリーの金曜上映会で1局ずつ紹介していますが、今回は映画祭出張版! 在山形テレビ局4局のドキュメンタリーを一挙上映! 映画館のスクリーンに大きく映し出された「番組」とまともに向き合う体験を共有します。
- 山形放送 YBC ●10日 F1
『三つめの庄内 〜余計者たちの夢の国〜』ディレクター・プロデューサー:三浦重行/撮影:斎藤雄己/ナレーション:松本光生/2022/46分 - 青森県六ヶ所村に「庄内」という開拓地がある。北海道のサロベツ原野にも「天北の庄内」が。満洲に渡り第二の庄内をつくろうとした人々が戦後、苦難の末に築いた土地。余計者と言われ、生きるための場所を求め続けた開拓者たちの軌跡。民放連賞グランプリ受賞作。
- 『でくのぼう 〜戦争とPTSD〜』ディレクター・撮影:伊藤翼/プロデューサー:結城義則/ナレーション:二又一成/2023/46分
- 定職に就かず家族と会話もしない、虚ろな目をした父。鶴岡市出身の黒井秋夫さんは、亡き父 慶次郎さんを尊敬できなかった。戦争が父の心を壊したのだと、知るまでは――。今も苦しむ遺族の証言、現存するカルテから、兵士の心を壊した過酷な戦場の記憶に迫る。
上映後Q&A:三浦重行(『三つめの庄内』ディレクター、プロデューサー)、伊藤翼(『でくのぼう』ディレクター)
- 山形テレビ YTS ●11日 F1
『ルビー色の誇り 未来につなぐ“さくらんぼ150年”』ディレクター:荒木拓美/プロデューサー:秋葉和弘/2025/46分 - 2025年、山形が誇るサクランボは栽培開始から150年という節目を迎えた。「サクランボ王国」の歩みを振り返るとともに、生産者に立ちはだかる気候変動という危機、県民の誇りを未来につなごうと奮闘する人々の思いを、タレント 橋本マナミが見つめる。
- 『時代の波に抗えますか 黒川能農物語』ディレクター:寒河江徹/制作統括:後藤啓文/制作統括:黒須英之/2025/46分
- 山形県鶴岡市に500年以上前から伝わる「黒川能」。地元農家らが代々「神事能」として奉納してきたが、少子高齢化などで存続が危ぶまれている。また能の担い手である農家の後継者不足も深刻に。手法は違えど「能」と「農」の継承に奔走する役者たちの姿に迫る。
上映後Q&A:寒河江徹(『時代の波に抗えますか』ディレクター)
- テレビユー山形 TUY ●12日 F1
『すっぴんで 〜車いすギャルの900日〜』ディレクター: 渡邉拓磨/プロデューサー:佐藤浩/2021/47分 - 2018年、屋根の葺き替え作業中の事故で車いす生活となった渋谷真子さん。気付いたのは車いすユーザーに向けた情報が少ないこと。「障害があること=不幸」ではない。誰かの希望になりたいと、今の自分ができることの可能性を探しYouTubeで発信し続ける彼女を追う。
- 『野球に恋して! ANOTHER STORY 〜惺山高校女子硬式野球部の1100日〜』ディレクター:伊藤史明/プロデューサー:佐藤義亀/2025/47分
- 2022年春、県内初の高校女子硬式野球部として創設された惺山高校女子硬式野球部。野球ができる喜びに溢れた笑顔、負け続けた日々、感情のぶつかり合い……。どんな時もカメラがそばにあった。彼女たちが野球から学んだこと、そしてこれからの人生に与えた影響とは。
上映後Q&A:伊藤史明(『野球に恋して!』ディレクター)
- さくらんぼテレビ SAY ●14日 F1
『45年目の序曲 〜山形交響楽団の挑戦〜』ディレクター:斎藤康広/プロデューサー:木村奈緒美/2017/46分 - 山形県内唯一のプロ・オーケストラ「山形交響楽団」を追ったドキュメンタリー番組。ふるさと山形に“音楽による感動”を伝え続ける楽団員の奮闘ぶり、地方のオーケストラの厳しい経営状況やそれを打破すべく改革を進めていく、彼らの姿を追った。
- 『途切れた鉄道 〜米坂線復旧へ必要な覚悟〜』ディレクター:松本要/プロデューサー:佐藤武司/2025/46分
- JR米坂線は、2022年の豪雨で被災し現在も運転見合わせが続いている。復旧に莫大な費用と工期を要すため、JR東日本は単独復旧は困難と発表。仮に復旧できても赤字路線をどう維持していくのか? 「鉄路」復旧を目指す地元に突き付けられた問題を探る。
上映後Q&A:松本要(『途切れた鉄道 』ディレクター)
- 山形放送 YBC ●10日 F1
子どもの映画工房 発表会
- 探究教室ESTEM
助成:公益財団法人東北活性化研究センター ●13日 F1
やまがたと映画 特別上映
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- 『マダム・ソワ・セヴェンヌ』監督:佐藤広一/日本、フランス/2025/87分 ●13日 CL
- マリー・アントワネットが愛したとされる伝説の絹〈セヴェンヌ〉。神々しい白さがあり世界一美しい絹といわれ、フランスでは伝承として語られてきた。それがいま300年の時を経て日本でよみがえった。その伝統と技術を未来に繋ごうと、シルク産業の最前線にかかわる養蚕家、織物職人、染色家、日仏歴史学者などの取り組みを、3年の歳月をかけて取材。これまで明かされることのなかった匠の手仕事の技と、天然素材で染抜かれた目が覚めるような色彩が、余すことなくここに記録される。
旧吉池医院
山形市の中心市街地にあるレトロな洋風建築。文翔館(旧山形県庁舎)も手がけた建築家・中條精一郎の設計で1912(大正元)年に竣工した。築113年の建物を会場に、「やまがたと映画」の上映や展示のほか、展示「矢野和之メモリアル」、トーク「ガラス乾板で蘇る街の風景」、上映『光の星霜』『やまがた近代化遺産』『職人の謳 〜重要文化財 旧山形県庁舎修復工事記録〜』『妖怪を見た男 〜近代建築界の巨人伊東忠太の世界〜』などが行われる。