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清瀧章 8ミリフィルム作品集

 昭和2(1927)年生まれの清瀧(きよたき)さんは、昭和16(1941)年に三山電気鉄道株式会社(現・山形交通)に入社、鉄道業務一筋に勤務し、高畠線、尾花沢線、三山線の相次ぐ廃止に立ち会った。今は亡き鉄道の最後の姿を収めた8ミリフィルムによる記録映像は、趣味の域を超え、時の経過とともにますます価値が高まってくる重要な資料である。


秋を写す

Images of Autumn

1986/日本語/カラー/ビデオ(原版:8mm)/7分
監督、撮影、提供:清瀧章

山形市から出羽三山に向かう途中、現在の寒河江ダムの湖底に沈んでしまった大井沢の集落、建設途中の寒河江ダムの工事風景、偶然出会った婚礼の模様などが、秋の自然とともに記録されている。本人のナレーションが作者の人柄を感じさせる。



冬の三山線

Sanzan Line in Winter

1974/日本語/カラー、モノクロ/ビデオ(原版:8mm)/12分
監督、撮影、提供:清瀧章

豪雪に見舞われる期間、安全に電車を走らせようとする鉄道職員たちの手作業による献身的な努力を、一鉄道マンとして内部からの関係者の視線で描いている。



ありし日の三山線

Bygone Days of the Sanzan Line

1974/日本語/カラー、モノクロ/ビデオ(原版:8mm)/20分
監督、撮影、提供:清瀧章

軽快に、そしてのどかに疾走する三山鉄道の姿のみならず、各停車駅の駅舎や、車両整備風景等を丁寧に8ミリフィルムに収めている。関係者でなければ決して撮影することができなかったであろう、貴重なカットの宝庫と言えるだろう。



雪と闘う高畠線

Battling the Snow

1974/日本語/カラー、モノクロ/ ビデオ(原版:8mm)/8分
監督、撮影、提供:清瀧章

高畠鉄道の最後の冬の記録。職員総出でのスコップを使った除雪作業風景は、想像を絶する困難を感じさせる。この高畠線には、次の冬はもうやって来ない。



- さよなら三山線

Adieu Sanzan Line

1974/日本語/カラー/ビデオ(原版:8mm)/11分
監督、撮影、提供:清瀧章

三山線閉業記念式典の模様だが、子どもから、政財界人までが集まり、まるで開業の祝賀会であるかのように盛大で、活況を呈している。地元の人々にとってこの鉄道がいかに大切なものであったかが伺われる。8ミリカメラを構える若かりし作者の姿をも、別のカメラがしっかりととらえている。



電車お嫁入り

New Destinations

1975/日本語/カラー/ビデオ(原版:8mm)/20分
監督、撮影、提供:清瀧章

廃線後、三山鉄道で使われていた車両が、新潟と高松に引き取られることになり、国鉄の路線を使って回送されることになった。いったん廃止されてしまった鉄道を再点検して安全確認し、再び走らせる作業が、鉄道マンとしての最後の業務となってしまった。パンタグラフを外して国鉄のディーゼル機関車に引かれるシーンは大変珍しく、鉄道ファン必見の映像でもあるはずだ。