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ヤマガタ・ラフカット!


完成作品ではなく、撮影、編集途上にあるプロジェクトを公募し、5本のラフカット(粗編集版)を上映して、作り手やゲストを交えて公開対話を行うプログラム。資金集めのためのプレゼンテーションや制作指導の場ではなく、作り手と観客という枠をこえて、いま途上にある映像をともに見つめ、感じ、語り、聞くこと自体を目的とした場。多様な視点と出会いながら、「映画をつくること/見ること」をより豊かに模索する試み。

会場:山形美術館5


 今回約30本の企画応募があり、選考の結果、以下の5本が選出されました。

せいぞんかくにん
監督:髙橋亮介
「おずーやんとおばーやんの“せいぞんかくにん”してこい」東京の家を出発する際にいつも父が言った言葉だ。大学に入ると、夏休みに一人旅を兼ね、岩手県宮古市の祖父母の家を訪ねては、二人のさりげない日常の姿を記録するようになった。それから4年。
voyage
監督:池田将
「馬喰町バンド」によるニューヨーク・ライブツアーの記録。バンドのメンバーと、出産を控えた妻の今後の生活を巡る会話。同棲生活の終わりを迎える男女の数日間、というフィクション。3つの異なる物語を組み合わせることで、どのような地平が立ち現れてくるのか。
※上映後に馬喰町バンドによるライブ演奏を予定
夕方の月
監督:田中圭
神奈川県川崎市にある高齢の単身者ばかりが住む市営団地。そこで人知れず営まれている住人たちの暮らし。独りで生きること、そしてその先にある死が、悲しみ、忌み嫌うものではなく、生の条件であるということを、彼女ら彼らの暮らしへの眼差しのなかに見つめていく。
水と八丈島
監督:松林要樹
八丈島の緑豊かな山中、その水源近くに一般廃棄物処分場の建設が計画された。水質汚染を恐れる住民たちによる反対運動、公共事業に頼らざるを得ない島の経済問題、地域の絡み合う人間関係。揺れ動く島の現実を、映画はどのように見つめているのか。
フォントンジュ
監督:阿部正子
フランス中南部オーベルニュ地方にある人口200人ほどの小さな村、フォントンジュ。村を訪れるたびに撮影を重ねていくなかで、30年以上前に撮影された村の映像に出会う。過疎化が進む村の風土と記憶、季節、労働……些細な営みから、移ろいゆくものを拾い上げていこうとする試み。