インターナショナル・コンペティション 審査員
山形国際ドキュメンタリー映画祭2013インターナショナルコンペティション作品15本の中より、ロバート&フランシス・フラハティ賞などを決定する5名の審査員をご紹介します。
(名字アルファベット順)
●足立正生(日本、映画監督) Adachi Masao
1939年生まれ。日本大学芸術学部在学中、『鎖陰』(1963)で脚光を浴びる。若松孝二の独立プロダクションで前衛的なピンク映画の脚本を量産し、監督も。パレスチナで『赤軍-PFLP・世界戦争宣言』(1971)を撮影。1974年より日本を離れ、パレスチナ解放闘争に身を投じる。1997年にレバノンで逮捕され、3年の禁固刑ののち日本へ強制送還。2006年、赤軍メンバーの岡本公三をモデルにした映画『幽閉者 テロリスト』を発表。著作に『映画/革命』(2003)など。近年は欧米各地で特集上映が巡回されている。
●ラヴ・ディアス(フィリピン、映画監督) Lav Diaz
1958年ミンダナオ島生まれ。監督作品は『Batang West Side』(2001)、『Evolution of a Filipino Family』(2005)、『Heremias, Book One』(2006)など。『Death in the Land of Encantos』(2007)はヴェネチア映画祭オリゾンティ部門のクロージングを飾り、金獅子賞スペシャル・メンションを受賞。『Melancholia』(2008)は同映画祭オリゾンティ部門グランプリを受賞。最新作『Norte, the End of History』(2013)はカンヌ映画祭ある視点部門で上映。フィリピンの社会的・政治的状況を映し出す作家として知られる。
●ジャン=ピエール・リモザン(フランス、映画作家) Jean-Pierre Limosin
1983にアラン・ベルガラと共同監督した『Faux Fuyants』(カンヌ映画祭批評家週間)。アッバス・キアロスタミ、アラン・カヴァリエ、ダルデンヌ兄弟などのポートレート・ドキュメンタリーを作る。日本への関心は深く、武田真治と吉川ひなの主演の『Tokyo Eyes』、『北野武 神出鬼没』(YIDFF 2007で上映)などの映画を発表している。近年は『Novo』(2002)、 『Carmen』(2005)、『Young Yakuza』(2007)がそれぞれロカルノ、ヴェネチア、カンヌ映画祭で初上映されている。
●アミール・ムハマド(マレーシア、作家/出版業/映画作家) Amir Muhammad
1972年生まれ。『ビッグ・ドリアン』(2003/YIDFF2003でアジア千波万波 特別賞)に続く監督作品の『The Last Communist』(2006)と『Village People Radio Show』(2007)はベルリン国際映画祭に招待上映されながらマレーシア本国では上映禁止となっている。2007以降、活動の中心を出版に移し、クリエイティブ・ノンフィクションを出すMatahari Booksとパルプ・フィクションを専門とするFixi社を経営する。自身の著作も3冊ある。現在、ユーチューブやクラウド・ソーシングを利用したハイブリッド映画 『I'm Still Jewish』を製作中。
●ドロテー・ヴェナー(ドイツ、映像作家/キュレーター) Dorothee Wenner
ベルリン在住。ナイジェリアの映画産業ノリウッドを描いた『Peace Mission』(2008)や、ラゴスの小規模事業者がドイツへ初めて赴きビジネスチャンスを探る『DramaConsult』(2012)を監督。1990年よりベルリン映画祭フォーラム部門の選考委員を務め、ドバイ映画祭でもインドとサハラ以南のアフリカ地域を担当する。2006−2008はベルリン映画祭タレント・キャンパスのディレクターを務めた。キュレーターとしてもインド・アフリカ・ヨーロッパで映画や展覧会の企画を数多く手がけている。