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2H

日本/1999/中国語、日本語/カラー、モノクロ/35mm(1:1.37)/120分

監督・撮影・編集・録音:李纓(リ・イン)
製作:張怡(チャン・イ)
撮影協力:川村篤
録音協力:飯塚貞三、内海浩義
製作協力:TSP、イマジカ
製作会社・提供:龍影
〒150-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷 3-13-22 第25宮庭マンション805号室
Phone: 03-3405-7888 / Fax: 03-3405-7887
E-mail: info@dragonfilmsinc.com



李纓(リ・イン)
Li Ying


1963年中国広東省生まれ。1984年から中国中央電視台(CCTV)のディレクターとしてドキュメンタリー製作を開始。1989年日本留学。1991年〜93年、映像人類学を研究。1993年から、日本映画監督協会の推薦により、日本文化庁「海外招聘芸術家研究員」として、日本映画を研究。同時に映像製作プロダクション「龍影」を設立。日本のテレビ局のドキュメンタリー番組制作を手掛ける。『2H』は初の長編映画。
 

映画は2人の中国人、中国現代史を生きた馬老人と女性芸術家熊の東京での暮らしを軸に展開する。老人の出てくるシーンは白黒、ションのシーンはくすんだ赤とそれぞれ単色に染められる。この対立は構造的だ。しかし、人々の関係は、世紀末の東京のように、はかない。撮影班はあらかじめ老人やションのそばに待機している。撮影にいたるまでには多くの時間が費やされただろうが、説明は省かれる。我々に見ることのできるのは─撮影班との約束が取り付けられた後の─妊娠をめぐる老人とションの対話であり、ションと男との性戯であり、お手伝いの女性と老人との食事やいさかい等である。撮影者は老人に「生きてきた証を残したくないのか」と問うが、老人は応じない。その後、老人は1人きりで死んだことが告げられる。マンションの上階から遺体が親族に抱えられ、ゆっくりと運び出されるとき、老人を送るように伴奏音楽が流れる。映画は世紀末の東京で暮らす中国人たちの生(と死)を、剛い意志を持って描いた。名付けようのない映画だが、登場人物たち、ことに馬老人に対する思いが物語を静かにまとめあげ、その時、そこに起こった様々な光景を閃光のように瞬かせる。ドキュメンタリー映画は、リアリティを閉じこめ、解き放つことの出来る箱である。 [高橋直]

  【監督のことば】
人間は死を迎えて行く時、人生のクライマックスがやって来る。ありとあらゆる虚栄にみちた希望、葛藤、諍い、勝利と敗北、妥協、孤独、そして祈りは、人生の最期に一種強烈なシグナルを送りだすのだ。私にとってこの映画を撮るプロセスは、そのシグナルを感じとるプロセスでもあった。
もしかすると、私は“生と死”を感じると同時に、20世紀が世紀末において発する、国や家族や人間関係の崩壊というシグナルをも感じているのかもしれない。この意味において、この映画は“世紀末の映画”といえるかもしれない。
その感覚を表現するために、私は、フィクションとノンフィクション映画との間の“ベルリンの壁”を打ち壊そうとした。そして私は“家庭用デジタルカメラ”という新しい時代の映像作りの試みで、まるごとむきだしの“100年の孤立”に触れてみたかった。
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