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ライオンのなかで暮らして
Living Amongst Lions
Leve Blant Løver

ノルウェー/1998/ノルウェー語 / カラー/35mm(1:1.85)/83分

監督・脚本・製作:シグヴェ・エンドレセン
撮影:ハルグリム・オーデゴール
編集:リーサ・エーケベルグ
音楽:クヌート・ライエルスルード、ライダル・スコール
録音:グンナル・メイデル
製作会社:モトリスAS
提供:ノルウェー・フィルム・インスティテュート
配給:ディー・ネット・セールス (
d.net.sales)
Karwendelstr. 21, 12203 Berlin, GERMANY
Phone: 49-30-84306168/ Fax: 49-30-84306167
E-mail: majade@t-online.de



シグヴェ・エンドレセン
Sigve Endresen


1953年ノルウェー生まれ。1978年、ドキュメンタリー短編『Kølabu』で監督デビュー。1983年、ドキュメンタリー製作会社Motlysの創立に参加。ドキュメンタリー映画畑におけるプロデューサーおよび監督として実績をつむ。なかでも、3つのアマンダ賞を受賞した『For Your Life』(1989)、ヨーロッパ全域でテレビ放映された『Big Boys Don't Cry』(1994〜95)は彼の代表作であり、数多くの批評家たちから高い評価を受けた。1991年には長編映画『The Changelings』の監督および共同脚本を手がけた。1989年、ノルウェー映画界最高の賞、アーモット像を受賞。

ガンに侵された若者たちの姿を1年半にわたって撮った、真摯で重たいテーマを描いた作品である。27歳のイングン、21歳のラーシュ、21歳のクリスティンの3人の若者を中心に、彼らの友人たちを交えながら、不幸にも若くして死に向かい合った彼らの考えや感情を通 して、生の価値と生きることの意味を問いかける。彼らの1人が言う「人生で最良の時期は、ガンと診断された後である」という言葉は重い。実際、友人との楽しい語らい、バカ騒ぎ、旅行、そして結婚など、若者の誰もがすることの裏側に、近い将来の死への旅路を覚悟せざるをえない心境とは、いかなる苦痛と絶望を伴っていることだろうか。1978年以来、ドキュメンタリー映画を撮ってきたシグヴェ・エンドレセン監督は、彼らの希望と絶望、夢と現実、安らぎと苦悩などに随伴しながら、彼らの生の証を再構成し、生と死の意味を描き出している。タイトルは、ラストに示されるように、カレン・ブリクセンの小説『アフリカの日々』から取られたもの。死を覚悟した者だけが真に自由である、という意味である。 [村山匡一郎]

【監督のことば】
「人生の意味を知り、感じ、そして理解するために、これは本当に起こらなければならなかったのだろうか」(ガン患者)
「もうすぐ私は死ぬのだ」と口にする人々は突然孤独になる。というのも、大半の人々が自分たちは死なないと考えて生活しているからだ。だが、死から遠ざけられることで、私たちは生からも遠ざけられてしまう。そしてもうすぐ死ぬ とわかった日に、初めて生きることを真剣に考えるというのはよくあることだ。死は変化をひきおこす。
私は長い間、死についての映画を作りたいと思っていた。死が生に対して意味を与えるというパラドックスについての映画。そして死を隅へと追いやり、それを病院の中に隠すことで、私たちが生きることに対しての大切な見方をどのようにして失っているかについての映画でもある。私は死についての映画を作ろうとしてきたが、そのことは生に対するひとつの肯定であり、賞賛である。
『ライオンの中で暮らして』という題名はカレン・ブリクセンの小説『アフリカの日々』(1937)の一場面 から来ている。彼女はあるエピソードを記している。数頭の雄牛がライオンに殺されていた。牧童頭はその死んだ牛に毒を塗っておいて、ライオンが食べにやってくれば、毒のついた肉のせいで彼らを殺せるだろうと提案する。ブリクセンは「ライオンは毒殺ではなく銃殺されるべきだ」と言う。牧童頭が、それはあまりにも危険で、自分はあえてやろうとは思わないと主張すると、彼女はこう答える。「死ぬ ことができる人こそが自由に生きているのだ。」そうして彼女はライオンを撃ちに出かける。
私はガンだと診断され、まもなく死ぬだろうと告知された数人の若い人々を追ってきた。彼らが“ライオンの中で暮らす”ようになる過程のなかで、共に日々を過ごしてきた。私にとって、これは彼らが経験し、叫び、成長し、そして反省することについての映画なのであり、またそれは、人生とは一体どのようなものかについて、私たちにかなり多くのことを教えてくれるのだ。
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