ドラマティック・サイエンス! 〜やまがた科学劇場〜 |
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F program 日本傑作選3:生きものの記録
『WATARIDORI』『皇帝ペンギン』など現在も人気の高い生態記録の分野から4作品をセレクト。動物や昆虫の知られざる姿を、カメラと辛抱強いスタッフが解き明かしていく。
蝉の一生
Life of a Cicada- 日本/1936/無声/モノクロ/16mm/10分
(理科映画大系 第七篇)
演出:太田仁吉 製作会社:十六ミリ映画教育普及会
提供:東京国立近代美術館フィルムセンター
セミは長年地下にこもった後に成虫となり、わずか1週間で子を残し死に至る。日本の科学映画の草分け的存在である太田仁吉(1893-1954)は小学校教師として理科教材映画に着手、やがて十字屋楽器店に小型映画部を創設して多くの作品を手掛けた。
或日の干潟
One Day at the Tidelands- 日本/1940/日本語/モノクロ/35mm/17分
監輯(演出):下村兼史 撮影:佐野時雄
製作:渡邊俊平 製作会社:理研科学映画
提供:矢島仁
遠浅の干潟に出没する様々な生き物を望遠レンズで捉え、食物連鎖の視点を交えたユーモラスな語り口でスケッチしていく。下村兼史(1903-1967)は野鳥の生態写真から映画に転じ、晩年の『ライチョウ』(1967)まで多くの「鳥映画」を手掛けた。
もんしろちょう ―行動の実験的観察―
The Cabbage Butterfly- 日本/1968/日本語/カラー/16mm/27分
演出:羽田澄子 脚本:羽田澄子、牧衷
撮影:関晴夫、根岸栄、岡田久
音楽:三木稔 解説:黒沢良 製作:牧衷
製作会社:岩波映画製作所 提供:岩波映像
モンシロチョウの行動の謎を複数の実験で明らかにする。従来の生態描写に終始する科学映画に飽き足らない羽田が自ら企画し、チョウの飼育も含め2年がかりの撮影となった。若き岩波映画スタッフの野心的な製作姿勢に注目。
オランウータンの知恵
The Wisdom of the Orangutan- 日本/1960/日本語/モノクロ/ビデオ(原版:35mm)/39分
演出:藤原智子、山口淳子 撮影:白井茂、坂崎武彦
音楽:中村信也 解説:望月衛(千葉大学)
製作会社、提供:日本映画新社
東京・多摩動物公園に暮らすメスのオランウータン「ジプシー」が様々な知能テストに挑戦し、その様子を心理学者の望月先生がユーモラスに解説。東宝の劇映画と同時上映するために製作された、家族でニコニコ楽しめる1本。