ドラマティック・サイエンス! 〜やまがた科学劇場〜 |
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E program 日本傑作選2:天然の美
繊細な美しさを放つ雪の結晶、生命誕生の脈動を伝える細胞分裂など、自然が生み出す美しい造形に見とれるプログラム。
雪の結晶(戦前版)
Snow Crystals- 本/1939/英語/モノクロ/ビデオ(原版:16mm)/13分
演出、撮影:吉野馨治 指導:中谷宇吉郎 撮影助手:小口禎三
製作会社:東宝文化映画部 提供:野中和隆 上映協力:日本映画新社
北大低温研究室の“雪博士”中谷宇吉郎(1900-1962)が自身の研究を映画化、海外の学術会議で高く評価された。ガラス細工のような雪の結晶の造形美を撮影した吉野馨治(1906-1972)は劇映画カメラマンからの転身で、後年は岩波映画のプロデューサーとして活躍した。
かえるの発生
The Birth of Frogs- 日本/1955/日本語/モノクロ/16mm/11分
演出、撮影:吉田六郎 脚本:吉田六郎、小口八郎
製作:吉野馨治 製作会社:岩波映画製作所 企画、提供:教配
卵からおたまじゃくしを経て蛙になるまで、その発生の様子を映像で観察する。卵細胞が次々に分裂する姿は感動的な美しさ。吉野の助手から独立した吉田六郎(1919-1995)は岩波映画・東映などでミクロの世界を捉えた秀作を数多く生み出した。
マリン・スノー ―石油の起源―
Marine Snow: The Origin of Oil- 日本/1960/日本語/カラー/ビデオ(原版:35mm)/25分
演出:野田真吉、大沼鉄郎 脚本:吉見泰
撮影監督:小林米作 撮影:春日友喜、豊岡定夫 音楽:間宮芳生
解説:高島陽 製作:岡田桑三 企画:丸善石油(現・コスモ石油)
製作会社:東京シネマ 提供:東京シネマ新社
カラーフィルムによる海棲プランクトンの美しい姿が世界各国から賞賛された作品。岡田桑三(1903-1983)が創設した東京シネマは、顕微鏡撮影の名手・小林米作(1905-2005)など優秀なスタッフを揃え、1950〜60年代の科学映画界を牽引し続けた。
The BONE II
The BONE II- 日本/1986/日本語/カラー/ビデオ(原版:16mm)/22分
演出:金子文雄 脚本:船越美枝子
撮影:坂元譲、金子文雄 音楽:一柳慧
ナレーター:小林恭治 学術指導:久米川正好
製作:小林米作 企画:帝人、藤沢薬品工業
製作会社:ヨネ・プロダクション 提供:NPO法人 科学映像館を支える会
体を支える役目とともに、カルシウムの貯蔵庫としても機能している骨。身体が送り出すホルモン情報を受け止めて、体内のバランスを保つ骨の営みを探っていく。東京シネマから独立したヨネ・プロが得意とする医学映画。
一粒の麦
A Grain of Barley- 日本/1962/日本語/カラー/35mm/28分
演出、脚本:松川八洲雄 撮影:佐藤昌道
微速度撮影:鈴木喜代治 動画デザイン:梶川勝義
音楽:間宮芳生 ナレーター:八木治郎
監修:加納竜一 企画:アサヒビール 製作会社:日本産業映画センター
提供:クリックス、東京国立近代美術館フィルムセンター
ビール麦の品種改良への企業努力という、PR映画黄金期ならではの主題を扱いながら、遺伝という生命現象にまで踏み込んだ異色作。これが実質的デビュー作となった松川八洲雄(1931-2006)は昨年の逝去まで一貫して映像詩を作り続けた稀有な作家。