ロバート・クレイマー特集 [1993]
スターティング・ポイント
Point de départ/Starting Place-
1993/フランス、ヴェトナム、イギリス/フランス語、ヴェトナム語、英語/カラー/80分/35mm
撮影:ロバート・クレイマー
編集:クリスティーヌ・ブノワ、ロバート・クレイマー、マリ=エレーヌ・モラ
録音:オリヴィエ・シュウォッブ
照明:グエン・トゥク
製作:リシャール・コパンス、ルーベン・コレンフェルド
製作会社:ラ・セット、レ・フィルム・ディシィ、ヴェトナム映画作家協会
提供:インテラマINC.
『人民の戦争』から23 年後、ロバート・クレイマーはハノイに戻った。肩にはカメラ、胸には90年代のヴェトナムを理解したいという欲望を持って。彼は前に会っていたヴェトナム人たちを探し出し、新しい出会いを体験し、歳月の間に起こった変化を探索する。彼はある旅路の痕跡をたどりつつも、事前の計画にはなかった顔や身ぶり、そして場所に魅了され、それを取り込みつつ次々と進路を変えて行く。まるで音楽のように、『スターティング・ポイント』は大きな変化のまっただ中にある国を探検していく。
■■■ 「そのために幾らかの人間が死んだ理想も、多くが忘れられている。近代史のページを読み通すことは重要だ。本当の“スターティング・ポイント”は映画の後にこそある。今である。この映画はどこか他の場所で作ることもできた。重要なのはただヴェトナムに固有の話、そこだけで終ることではなく、何よりもこの“スターティング・ポイント”という考えなのだ。なぜなら、世界とはそういう場所なのだ。我々は過去30年に体験したことを見て、そこから出発しなければならない。」
ロバート・クレイマー(トリノ映画祭'97 カタログより転載)