ロバート・クレイマー特集 [1980]
ガンズ
Guns-
1980/フランス/英語/カラー/95分/16mm
脚本:ロバート・クレイマー
撮影:ルイ・ビヒ、リシャール・コパンス、クロード・ミショー、エリック・ピタール
編集:ヴァレリア・サルミエント、クラウディオ・マルティネス、ヤン・ドゥデ、モニク・スサン
音楽:バール・フィリップス
録音:オリヴィエ・シュウォッブ、ジャン・ユマンスキー、ドミニク・ヴィエイヤール
記録:バーバラ・コンスタンティーヌ
製作:エレーヌ・ヴァジェール、カサール
出演:パトリック・ボーショー、ジュリエット・ベルト、ペギー・フランクストン、他
「1挺1挺の銃が語るべき物語をたくさん持っている」、クレイマー自身の演ずるロビンはそう書く。政治的な理由があって、今では何年か前からフランスに住んでいる外国人の記者トニーは、謎めいた武器密売買の実態を解明しようとする。その背後にはどうも、政府も一枚かんでいるようだ。積み荷がマルセイユで消える。武器密売人が暗殺される。だがトニーの調査はなかなか深層に迫れず、彼は次第にそれを個人的な妄想のように思い始める。この“政治ミステリー”のストーリーには、平行線である「プライヴェート」なストーリーが介入していく。トニーの恋人でパリに置いてきた水泳のインストラクターとして働くリル。アメリカ人のアーティストで違法でトラック運転手をしているロビン。トニーがマルセイユに行ったときに出会う、母親の最後を看取っている女優のマルゴー。そしてどこかは分らない国から、拷問を逃れてやって来て、トニーとリルの家に居候している友人のカトリン。ストーリーは交錯し、衝突し、重なりあい、漂い、洗い流し、確実と思われたものが何もかも色褪せていく。
(トリノ映画祭'97 カタログより転載)