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貸出作品リスト:YIDFF 2007


※監督の下段のデータは、製作国/製作年/使用言語/色/フィルム種別(35mmの場合のスクリーンサイズ)またはビデオ(ビデオフォーマット)/上映時間/字幕
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YIDFF 2007 インターナショナル・コンペティション出品作品


アレンテージョ、めぐりあい

Encounters (2007 山形市長賞)
監督:ピエール=マリー・グレ
ポルトガル、フランス/2006/ポルトガル語/カラー、モノクロ/ビデオ(DVCAM)/105分/日本語・英語字幕あり

1950年代後半、ポルトガル現代詩の若き雄アントニオ・レイスと、ポルトガル民族音楽のコルシカ人研究者ミシェル・ジャコメッティ、そして映画監督のパウロ・ローシャたちが、ポルトガル南部アレンテージョ地方ペログアルダ村民の歌に魅せられて次々とその村を訪れた。パウロ・ローシャの映画を挿みながら、レイスたちが通った道や真紅の花で飾られた野原、静かな海と村のたたずまい、哀しみをたたえた歌や詩が情感たっぷり流れ、我々を清涼感で満たしてくれる。

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旅 ― ポトシへ

Potosi, the Journey (2007 優秀賞)
監督:ロン・ハヴィリオ
イスラエル、フランス/2007/英語、スペイン語、ヘブライ語/カラー、モノクロ/35mm(1:1.66)/246分(フィルム1:130分 フィルム2:116分)/日本語・英語字幕あり

1970年、ブエノスアイレスで結婚式を挙げた監督ロン・ハヴィリオと妻ジャクリーンは、バックパックとスチール・カメラを手にアンデス山脈へ向かった。その道中でボリビアのポトシという鉱山の街に出会う。29年後、ふたりは娘3人とポトシを訪ね、過去と現在を繋げていく。静寂なアンデスの風景、ゆったりとした音楽。それらと相反して厳しい気候に生きる人々。家族はゆっくりと歩み心を通わす。家族の旅を描いたロード・ムービー。映画祭'97大賞受賞作『エルサレム断章』から10年。ロン・ハヴィリオ監督の待望作。

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M

M (2007 優秀賞)
監督:ニコラス・プリビデラ
アルゼンチン/2007/スペイン語/カラー、モノクロ/35mm(1:1.85)/150分/日本語・英語字幕あり

1976年、アルゼンチン軍事政権下。突如消息不明になったマルタ・シエラ。当時6歳だったマルタの息子、ニコラス・プリビデラ監督は、この謎について関係機関や当時の同僚、地下組織運動仲間を訪ねながら、失われた母親像の破片を集めていく。映画はマルタ失踪事件の謎がサスペンス風に描かれているだけでなく、軍事クーデターで多くの人が殺され行方不明になった状況など、アルゼンチンの歴史があぶり出される。記憶を決して風化させない監督の姿勢が感動を誘う。

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彼女の墓に花をそえるのは私

I Am the One Who Brings Flowers to Her Grave
監督:ハーラ・アルアブドッラー、アンマール・アルベイク
シリア/2006/アラビア語/モノクロ/ビデオ(DVCAM)/110分/日本語・英語字幕あり

1981年に故郷シリアを後にしてから一度も帰郷が果たせぬハーラは、カメラを持つ若い友人アンマールと共にフランスで映画を撮り始める。25年間国外追放されている夫で画家の創作風景、祖国を離れたまま初老を迎えようとする女性の友人たちの親密なインタビュー。客観的な視点を拒むかのように、極端なアップと手持ちを多用したカメラは自由に時空を滑空し、詩文と生活の中の詩心を発見しながら、故郷への愛を詠い、容赦ない時間の流れを哀悼する。

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リック・ソルト ― 僕とばあちゃん

Lick Salt--A Grandson's Tale
監督:ライアン・フェルドマン
カナダ/2006/英語/カラー、モノクロ/ビデオ(DVCAM)/78分/日本語・英語字幕あり

祖母セシルと仲たがいする父から、交際を固く禁じられていた息子ライアン・フェルドマン監督。15年ぶりに祖父の葬式でセシルと顔を合わせ、ふたりは交流を再開する。老境にあるユダヤ人老女の天真爛漫な個性、死への不安やおびえ、写真に語りかけて写っている人物のために食事を用意するなどの認知症からくる妄想。セシルに何かと頼りにされ手を焼くライアンは一方で転職や引越を繰り返し、将来への不安な心情が露わになっていく。祖母と孫の心の絆をユーモラスに描いた私的ドキュメンタリー映画。

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紙は余燼(よじん)を包めない

Paper Cannot Wrap Up Embers
監督:リティー・パニュ
フランス/2006/カンボジア語/カラー/ビデオ(DVCAM)/86分/日本語・英語字幕あり

カンボジア・プノンペン。娼婦になった女性たちの寝所。彼女たちは家族や金のために身を売り、客や雇い主のマダムから暴力を受け、エイズ感染など悪夢の日々を過ごしている。内戦の傷深く、腐敗したカンボジア社会の底辺に暮らす瀕死の魂たちへの鎮魂詩が、哀しく、時に美しく奏でられる。祖国カンボジアと向きあい続けるリティー・パニュ監督最新作。インターナショナル・コンペティションへは過去最多の4度目の参加

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革命の歌

Revolution
監督:ヨウコ・アールトネン
フィンランド/2006/フィンランド語/カラー、モノクロ/35mm(1:1.85)/80分/日本語・英語字幕あり

革命歌を歌う熟年者たち。学校、図書館、スーパーや夜の街で堂々と歌う彼らは一体何者なのか? 1960年後半、理想主義に燃え社会主義運動に触発された歌と数々の音楽グループが誕生した。40余年を経て、若く美しい活動家だった彼らも今は中高年に。揚々と歌う当時の姿と現在の職場での歌いっぷりをあわせ見せ、「よりよい世界」を求めていた時代を懐かしみ風刺するフィンランド発ミュージカル・ドキュメンタリー映画。この映画を観た後は、誰もがこの革命歌を口ずさみたくなるだろう。

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あなたが去ってから

Since You Left
監督:ムハンマド・バクリ
パレスティナ、イスラエル/2006/アラビア語、ヘブライ語、英語/カラー/ビデオ(DVCAM)/58分/日本語・英語字幕あり

イスラエル在住パレスティナ人俳優である監督は、彼の創作に影響を与え親交の深かった故エミール・ハビービー(パレスティナ人作家・政治家)の墓の前で、自らに生じた出来事を語りだす。バクリーのふたりの甥がテロ事件への関与で訴追され、自作ドキュメンタリー映画『ジェニン、ジェニン』はイスラエルでの上映禁止の憂き目に会うという苦闘が続いていた。それでも監督はハビービーの言葉をかみしめながら、イスラエル・パレティチナがそれぞれの愚かさに気づき互いに向き合うことを訴える。

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12タンゴ ブエノスアイレスへの往復切符

12 Tangos: Adios Buenos Aires
監督:アルネ・ビルケンシュトック
ドイツ/2005/スペイン語/カラー/35mm(1:1.85)/86分/日本語・英語字幕あり/山形県内上映のみ(県外上映についてはお問い合わせください)

19世紀末から20世紀初頭。600万人もの人々がヨーロッパから南米へ移住し、アルゼンチンが誕生した。そして21世紀。2002年の経済破綻を受け、仕事を求める子孫たちは、祖先のパスポートを頼りに彼らの反対ルートであるヨーロッパへ向かう。渡欧を決意した女性ふたりと、かつては世界中の舞台で踊っていた老ダンサーの生き様が、祖国への慕情、哀しみや絶望が込められたタンゴの曲と強烈に絡み合う。また、アルゼンチン中から選りすぐられたミュージシャンによって演奏された数々のタンゴが聴けるのも本作の魅力のひとつ。

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ワイルド・ワイルド・ビーチ

Wild, Wild Beach
監督:アレクサンドル・ラストルグエフ、ヴィタリー・マンスキー、スサンナ・バランジエヴァ
ロシア、ドイツ/2006/ロシア語/カラー/ビデオ(DVCAM)/125分/日本語・英語字幕あり

夏のヴァカンスで人が溢れるロシアの海岸。明るい太陽のもと開放された人々は快楽、金欲、権力など欲望に目をくらませている。観光客目当てにラクダを遠路はるばる移送する写真屋、酔いどれ老女、ラップを歌う老人、女と見れば口説き回る太っちょとノッポのふたり組、プーチン大統領の訪問。混乱するロシアの今が風刺画のようにアップテンポに描かれていく。映画祭2001上映作『青春クロニクル』のヴィターリー・マンスキー監督が今作の共同監督のひとり。

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