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貸出作品リスト:YIDFF 2003


※監督の下段のデータは、製作国/製作年/使用言語/色/フィルム種別(35mmの場合のスクリーンサイズ)またはビデオ(ビデオフォーマット)/上映時間/字幕
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YIDFF 2003 インターナショナル・コンペティション出品作品


S21 クメール・ルージュの虐殺者たち

S21, the Khmer Rouge Killing Machine (2003 優秀賞)
監督:リティー・パニュ
フランス/2002/カンボジア語/カラー/ビデオ(DVCAM)/101分/日本語・英語字幕あり

かつての政治犯収容所「S21」。クメール・ルージュの大虐殺による加害者と被害者をその場所に集め、非人間的で過酷な日々を再現していく。証言で明らかになる真実の数々、対峙する2人のやりとりの迫真性が25年という時を越える。カンボジア生まれのリティー・パニュ監督(映画祭2001『さすらう者たちの地』でフラハティ賞受賞)の、故国への想いが静かに脈打つ。

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純粋なるもの

Purity (2003 特別賞、市民賞)
監督:アナット・ズリア
イスラエル/2002/ヘブライ語、英語/カラー/ビデオ(DVCAM)/63分/日本語・英語字幕あり

ユダヤ教徒の結婚と性について考察。家族で聖なる浄めの儀式に出席する様子、男性社会における女性の葛藤、そして戒律による夫婦生活や性のあり方。カメラに向かい率直な意見を述べる女性たちは、二千年来のユダヤ教の戒律のタブーに挑戦する。女性たちの表情の豊かさ、静謐なる水のイメージが心に残る。

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神聖なる真実の儀式

Basal Banar--Sacred Ritual of Truth
監督:アオレイオス・ソリト
フィリピン・パラワン/2002/パラワン語、フィリピン語/カラー/16mm/120分/日本語・英語字幕あり

映画祭'99アジア千波万波『部族へ帰れ』(ハウィ・セヴェリノ監督)でその生き方が描かれたフィリピン先住民族の血を引く実験映像作家アオレイオス・ソリト。彼は故郷のパラワン島へ帰って神聖なる儀式や日常生活をカメラにおさめる。多国籍企業などの介入により生活が破壊されていく様子とそれへの怒り。打楽器の響きと映像のリズムが渾然一体となって見るものを独特の映画世界に引き込んでいく。

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フラッシュバック

Flashback
監督:ヘルツ・フランク
ラトヴィア/2002/ロシア語、ヘブライ語/カラー、モノクロ/ビデオ(DVCAM)/105分/日本語・英語字幕あり

その昔7人のシメオンがいた(映画祭'91コンペ優秀賞受賞)のヘルツ・フランク監督の自伝的作品。活動してきた国を歴訪する映像の合間に挿入される過去の作品の断片――出産、死体解剖、割礼、死刑執行を待つ囚人などショッキングなテーマの果てに監督自身の心臓手術シーンが待ち受ける。自らを題材として生と死について語り続ける真摯さの中から、75年という人生の軌跡が鮮やかに浮かび上がる。

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時の愛撫

Fuente Álamo--The Caress of Time
監督:パブロ・ガルシア
スペイン/2001/スペイン語/カラー/35mm(1:1.33)/72分/日本語・英語字幕あり

スペインの小さな村フエンテ・アラーモの一日。降り注ぐ陽の光のまぶしさ。思春期の少年少女の語らい、靴工場で働く娘、畑を耕す農民、家事に勤しむおばあさんなど、村人の何気ない日常が淡々と綴られていく。過ぎゆく時間を愛おしむような温かい眼差しに満ちた映画。

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天使狩り ― 預言者詩人の四つの情熱

Hunting Down an Angel or Four Passions of the Soothsayer Poet
監督:アンドレイ・オシポフ
ロシア/2002/ロシア語/カラー、モノクロ/35mm(1:1.37)/56分/日本語・英語字幕あり

ロシアの詩人アンドレイ・べールイの生涯を実験的手法で描いた異色作。全編1910年代から20年代にかけてのロシアの記録映画や劇映画が編集・再構成され、ベールイが生きてきた時代と彼をめぐる4人の女性についての物語が描かれる。「神の恩恵を受けた者」「幽霊の化身」「ゴーゴリの再来」「ヒステリー」「自惚れ屋」などと称されたベールイの内面に迫る。

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レイムンド

Raymundo
監督:エルネスト・アルディト、ヴィルナ・モリナ
アルゼンチン/2002/スペイン語/カラー、モノクロ/ビデオ(DVCAM)/127分/日本語・英語字幕あり

1976年に軍事独裁政権に拉致され殺されたアルゼンチンの映像作家レイムンド・グレイザー。彼が遺した作品、家族を映したホームムービーや資料映像を縦横に駆使、彼の人生と1960年代、70年代のラテン・アメリカの反戦映画や解放運動の歴史が描かれる。小気味よいテンポとサスペンスフルな展開、そして全編を包み込む魅惑的な音楽の中から、CIAや独裁政権が破壊できなかった記憶と理想が立ち上がる。

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羊飼いのバラード

Shepherds' Journey into the Third Millennium
監督:エリッヒ・ラングヤール
スイス/2002/スイス・ドイツ語、ドイツ語/カラー/35mm(1:1.66)/124分/日本語・英語字幕あり

スイスの羊飼い一家の日々の営みをアルプスの山々を背景に描く。何百頭もの羊の群れ。雪のなか牧草を求めてさまよい、車が行き交う道路を横断する。小羊の出産とそれを見つめる妻や子ども、乳搾りやパン作りの毎日。世界最古の職業であるといわれる羊飼いの、実際は過酷な労働でもある生活を『アルプス・バラード(映画祭'97コンペ作品)のラングヤール監督が見つめる。

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