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■映画作りとむらへの道
■三里塚・辺田部落
■小川プロ訪問記〈完全版〉
■ニッポン国古屋敷村
■1000年刻みの日時計
─ 牧野村物語
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三里塚・辺田部落
Narita: Heta Village
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1973/モノクロ/16ミリ/146分/日本語、英語字幕
製作:小川プロダクション
撮影・編集スタッフ:小川紳介、福田克彦、湯本希生、 岩崎清次、白石洋子、中野千尋、田村正毅(撮影)、川上晧市、原正(撮影助手)、
久保田幸雄(録音)、浅沼幸一(録音協力)
製作スタッフ:飯塚俊男、田處苗樹、 野坂治雄、伏屋博雄、本間周輔、見角貞利
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本作品で展開される映像は、『日本解放戦線・三里塚の夏』に代表されるアクション満載の荒々しい映画とは正反対である。空港闘争は継続しているのだが、もはや直接的に描き出されることはなく、村の生活や村人の意識へ与えた痕跡を通して表現される。学生運動に直結した初期作品では運動のスペクタクル性に注目していた映画制作者たちは、徐々に闘争そのものから周縁へと興味の対象を移行していき、『三里塚・辺田部落』へとたどりついた。ここでは、映画は、村人たちの世界のなかに完全に、そして深々と軸をおいている。観客は、建設現場での闘争そのものを目にすることなく、そのひどい痛手についてはより深く認識させられる。共同墓地が空港公団の手におちたことを知って動揺する老人たち、3人の警官の死後、逮捕の恐怖におびえる若者たち…これらが冷静な長回しの撮影によって捉えられる。このアプローチは撮影された“対象”の位置から始まり、そこで終わっている。
[阿部マーク・ノーネス] |
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