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第2部：ジョスリーン・サアブのレバノンそしてベイルート

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騒乱のレバノン ベイルート、もう二度と ベイルートからの手紙

わが町、ベイルート 昔々ベイルートで

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レバノン出身でアラブを代表する映画作家、ジョスリーン・サアブの初期作品5本を上映する。レバノン内戦（1975〜90）により故郷が変貌していく様をカメラに収めることから、サアブは映画作りを始めた。作品に通底するのは、戦争による破壊と喪失、抑圧に対する抵抗、忘却に抗い記憶し続ける強い意志である。

ジョスリーン・サアブ監督プロフィール

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騒乱のレバノン

Lebanon in Turmoil
Le Liban dans la Tourmente

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レバノン／1975／フランス語、アラビア語／カラー／デジタル・ファイル（原版：16mm）／75分

監督：ジョスリーン・サアブ
取材：ヨルグ・ストックリン
撮影：ジェラール・シモン、ハサン・ナーマニー
編集：フィリップ・ゴスレ、マリー・ジャンヌ・スージーニー

複雑な宗派バランスの上に成り立つレバノンが内戦に向かっていく状況を、主要政治家や宗派の代表などが次々と登場して語る。マロン派主教、ファランヘ党党首、左派ジャーナリスト、スンニ派の歴史学者、右派穏健派、コミュニスト、大手新聞の編集責任者、詩人のエテル・アドナーン、ドゥルーズ派のカマール・ジューンブラートなど、党派横断的に人物の声を拾い、事態の推移を冷静に描き出す初期の力作。アラブ批評家賞受賞。

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ベイルート、もう二度と

Beirut, Never More
Beyrouth, jamais plus

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レバノン／1976／英語、アラビア語、フランス語／カラー／デジタル・ファイル（原版：16mm）／36分

監督：ジョスリーン・サアブ
テキスト：エテル・アドナーン

内戦で破壊されたベイルートの町。住む場所を失った人々、銃を抱えた若者たち、廃墟となった建物。カメラで丁寧に掬い取られた町の痕跡と、作家で詩人のエテル・アドナーンによるテキストが喪失の悲しみを描き出す。かつて美しかったベイルート、そして二度と見ることのできないベイルートを想うサアブの詩的／私的エッセイ。『ベイルートからの手紙』『わが町、ベイルート』へと続く「ベイルート三部作」の第一作。

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ベイルートからの手紙

Letter from Beirut
Lettre de Beyrouth

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レバノン／1978／英語、アラビア語、フランス語／カラー／デジタル・ファイル（原版：16mm）／52分

監督：ジョスリーン・サアブ
撮影：オリヴィエ・ゲヌー
編集：フィリップ・ゴスレ
ミキシング：ポール・べルトー
歌曲：ウンム・クルスーム、マルセル・カリーファ
テキスト：エテル・アドナーン

サアブが手紙をしたためるショットで映画は始まり、エテル・アドナーンのテキストとともに戦争が日常となったベイルートが描かれる。ドキュメンタリーとフィクションが混在し、その境目が緩やかに溶解していく映画表現により、虚構のような現実に侵食されるレバノンの生々しい日常がリアリズムを伴って描かれる。

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わが町、ベイルート

Beirut, My City
Beyrouth, ma ville

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レバノン／1982／フランス語／カラー／デジタル・ファイル（原版：16mm）／38分

監督、撮影：ジョスリーン・サアブ
編集：フィリップ・ゴスレ
音楽：ラフィーク・ブスターニー
ミキシング：ポール・ベルトー
助手：マルワーン・フーリー
テキスト：ロジェ・アッサーフ

サアブが破壊された自宅に立ち、状況を伝えるシーンから始まる。空爆により150年の家の歴史もサアブが暮らした痕跡も、跡形もなく消えた。サックスの調べとともにロジェ・アッサーフのテキストが続き、負傷者、廃墟、空爆、鳴り響く銃声、町を走る装甲車、難民キャンプの惨状が映し出される。この映画は、失われたベイルートを記憶し続けるというサアブの強い意志表明でもある。

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昔々ベイルートで

Once Upon a Time in Beirut: The Story of a Star
Il était une fois Beyrouth, histoire d’une star

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インターナショナル・コンペティション審査員作品参照