English

幽霊 REEL-1〜6 総集編

Almost Ghost

- 日本/2017/日本語/カラー、モノクロ/8mm/80分

監督:大西健児
美術:横山ひろあき、安田哲
協力:かわなかのぶひろ、栗原みえ、KEN
提供:シネマトレイン


【監督のことば】映画というものが質量をもつ記憶として、空間と時間、眼前の事象“エレメンタル”を皮膚感覚として暗箱を介し集積する愚直なシステムであったことを、この骨董玩具は図らずもよく体現していた。シネマトグラフが不自由なガワを脱ぎ捨て、新たな次元に移行して久しいが、こちとら天邪鬼なので身体へと回帰するよ。

-  今回は総集編ということで、ホームムービーへの回帰は祖母の最期の一年間を中心に、庭先から始まる消失をめぐる装置の崩壊とその過程そのもののドキュメントとなっている。鼻先でツンとすえた臭いがするのも8ミリフィルムの愛嬌のひとつであるが、このなかなかにすっぺえ網膜にどこまでエレメントを集積できるものか? 闇のなか、自らの指先頼りでエマルジョンに刻み込んだ実験結果である。


- 大西健児

1973年三重県出身。山形に初参加したのは20年前。YIDFF '97アジア千波万波やフラハティ・セミナー2002などで上映された『焼星』(1995)も元は8ミリ作品だったので、四半世紀ずっとこだわってきたわけになる。『尺景』(2008)、『銀鉛画報会』(2011)は、それぞれYIDFF 2009、2011のニュー・ドックス・ジャパンで上映。