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イントロダクション


現実に向かい合い、映画祭ができることとは

 特定非営利活動法人 山形国際ドキュメンタリー映画祭は、当初の予定通り2011年10月6日[木]から13日[木]の日程で山形国際ドキュメンタリー映画祭2011を開催します。

 今年3月11日に起こった東日本大震災と福島第一原発事故による影響で、海外ゲストの参加が危ぶまれるのではないかという懸念がありました。しかし、こういった状況だからこそ、世界を客観的な視点で捉え、主観によって発信するドキュメンタリー映画の力強さ、そして映画文化の活性化が復興地を含むこの世界が前進する力に繋がるのではないかと信じて、予定通り開催準備を進めております。

 被災された方々に映画を届けたいという思いから、現在、私たちは他団体と連携しながら県内避難所及び被災地にて、映画上映と子どもたちと一緒の映像ワークショップを行っています。4月8日より続けてきましたこの活動を通して見えてきた被災地の姿、ニュース映像では見えないもの、それらを目の当たりにしたときの無力感。この未曾有の災害を前にして“映画はいったい何ができるのか”、“事実を撮る”とはいかなることかを突きつけられた気がしました。

 被災地の現状をまさに肌で感じた人々が一様に持った:(1)その混沌とした感情を共有し合い、(2)次に何ができるかを考え、(3)その一歩を踏み出す足がかりを探す場を作り出すこと、それが山形国際ドキュメンタリー映画祭の今しかできない役目であると考えます。

 そこで、このたび新たに東日本大震災に関連した特別プログラムを設けることといたしました。被災地の方々と共に映画に触れ、語り合ったこと、子どもたちと一緒に作品を作ったときのその生の感情、そこから見えてきたものをプログラムとして提示できればと考えております。

 これからも、皆さまのお力添えをいただけますようお願い申し上げます。

山形国際ドキュメンタリー映画祭