貸出作品リスト:YIDFF 2001
※監督の下段のデータは、製作国/製作年/使用言語/色/フィルム種別(35mmの場合のスクリーンサイズ)またはビデオ(ビデオフォーマット)/上映時間/字幕
※以下、作品タイトルをクリックすると、より詳しい作品情報がご覧いただけます
YIDFF 2001 インターナショナル・コンペティション出品作品
真昼の不思議な物体
Mysterious Object at Noon (2001 優秀賞、NETPAC特別賞)
監督:アピチャッポン・ウィーラセタクン
タイ/2000/タイ語/モノクロ/35mm(1:1.85)/83分/日本語・英語字幕あり
■監督はタイの国中を旅し、出会った人たちに物語を創作してもらう。画面には、マイクを向けられるタイの地方の人々と、彼らによって語られた「不思議な物体」の物語が、交錯して描かれることになる。話し手により物語は次々と変容する。それは作者自身さえも予想できない展開を見せていく。斬新な語り口、魅惑的なモノクロ映像。アジアからユニークでサスペンスフルな新世紀感覚の映画が誕生した。
シックス・イージー・ピーセス
6 Easy Pieces (2001 優秀賞)
監督:ジョン・ジョスト
アメリカ、イタリア、ポルトガル/2000/英語、イタリア語、ポルトガル語/カラー/ビデオ(Betacam、DVCAM)/68分/日本語・英語字幕あり
■ドキュメンタリー映画のほとんどは観客にメッセージを伝える。しかしこの映画にメッセージらしきものはない。ここにあるのは「映像」そのものであり、「表現」そのものである。石畳の上の子供、射撃する女、踊る女、これらひとつひとつに意味はない。走る車が捉える夜の光の洪水、立ち並ぶ柱の幾何学的美、水面のきらめき、これらはただ見るものの前に立ち現れる。デジタルビデオというフィルムとは異質の表現媒体が提示する6つのエピソード。そこには自由な想像力が無限にとびかう可能性に満ちた空間がある。
A2
A2 (2001 特別賞、市民賞)
監督:森達也
日本/2001/日本語/ビデオ(Betacam)/130分/英語字幕あり/山形県内上映のみ(県外上映についてはお問い合わせください)
■オウムをめぐる様々な人間関係。テレビでは伝えきれない「民衆の敵=オウム」をめぐる日本社会のもう一つの姿を私たちは目撃する。
山での日々
Days in Those Mountains
監督:王海浜(ワン・ハイビン)
中国/2000/中国語/カラー/ビデオ(Betacam、DVCAM)/162分/日本語・英語字幕あり
■中国・四川省の奥深い山里の村にトゥンがその家族と住んでいる。トゥンは、画家ルオ・ツォンリィの代表作「父親」のモデルとなった老人の孫息子である。1968年から1999年まで、ルオはトゥンと村の仲間たちに会うために村を訪れ、村の人たちもまたルオを歓迎する。農民たちの日々の営みが四季の移ろいの中に、ルオの絵を挿みながら静かなタッチで映し出されていく。都会の喧騒から隔絶された、おだやかな時の流れが2時間42分という長さの中につむぎだされる。
鳥のように ― ラ・ドゥヴィニエール
La Devinière
監督:ブノワ・デルヴォー
ベルギー/2000/フランス語/カラー/35mm(1:1.66)/90分/日本語・英語字幕あり
■1976年、精神療法院のラ・ドゥヴィニエール は、不治の病と言われ他の病院から見放された19人の子どもたちに門戸を開いた。彼らを受け入れることは精神医学の常識、教育の限度を超えているようにみえた。ラ・ドゥヴィニエールは、子どもたちを格子や手錠や薬から解放し、人間として当たり前の尊厳を持たせることに成功した。20年以上の時がたち、カメラは大人になった彼らの日常をふたたび見つめる。鳥のようにすべてが自由であり、そして人生を豊かにすることができる場所がここにある。
青春クロニクル
Private Chronicles. Monologue
監督:ヴィターリー・マンスキー
ロシア/1999/ロシア語/モノクロ/35mm(1:1.33)/91分/日本語・英語字幕あり
■ヴィターリー・マンスキー監督は膨大な量のプライベート・フィルムと格闘し、あるロシア人青年の青春のクロニクル(年代記)をつくりあげた。1961年から1986年、ユーリ・ガガーリンが宇宙へ行ったその時からソ連が崩壊する直前までの時代。幼年時代、父母の離婚、母と行った海水浴の記憶、友達との喧嘩、始めてのキス。誰もが思い当る青春のひとコマが、作者自身のナレーションによって綴られていく。社会主義国ソビエトのごくありふれた中産階級の家族の何気ない日常を映し出していく。
YIDFF 2001 アジア千波万波出品作品
夢の中で
Soshin: In Your Dreams(2001 小川紳介賞)
監督:メリッサ・リー
オーストラリア/1999/韓国語、英語/カラー/ビデオ(Betacam、DVCAM)/26分/日本語字幕あり
■朝鮮戦争後、祖国をあとにオーストラリアに新天地を求めた両親。学業としつけに反発し家でした娘が、7年間の絶縁を経て、映画づくりの中で、知らなかった両親を再発見した。実は歌手になりたかった父、映画づくりの現場で大活躍する母……。『愛についての実話』との2本1組でようやく、「コリアン」であり「オーストリアン」でもある作者の素顔が見えてくる。
愛についての実話
A True Story about Love(2001 小川紳介賞)
監督:メリッサ・リー
オーストラリア/2001/英語/カラー/ビデオ(Betacam、DVCAM)/27分/日本語・英語字幕あり
■サンフランシスコの映画祭に招かれ、韓国系アメリカ人監督についての映画を企画した。ところが、行ってみたらいきなり恋に落ちてしまった。しかも2人同時に。アジア系男性のコンプレックス、韓国系の男たちに対する自分の偏見。ベッドにまでカメラを持ちこむことの倫理など、きわどい問題にさりげなく触れながらユーモラスに個人映像世界を展開させている。
(貸出は『夢の中で』『愛についての実話』2本セット)