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貸出作品リスト:YIDFF 2017


カーキ色の記憶』『孤独な存在』『カラブリア』『ドンキー・ホーテ
ニンホアの家』『自我との奇妙な恋』『航跡(スービック海軍基地)

※監督の下段のデータは、製作国/製作年/使用言語/色/フィルム種別(35mmの場合のスクリーンサイズ)またはビデオ(ビデオフォーマット)/上映時間/字幕

YIDFF 2017 インターナショナル・コンペティション出品作品


- カーキ色の記憶

A Memory in Khaki (2017 山形市長賞)
監督:アルフォーズ・タンジュール
カタール/2016/アラビア語/カラー/ビデオ(ブルーレイディスク※50Hz)/108分

「ここでなければ私はわたしではない」――監督アルフォーズ・タンジュールが敬愛する作家イブラーヒーム・サムイールは、かつてダマスクスへの愛をそう語った。何年か後に、彼は愛したダマスクスを去った。イブラーヒームをはじめ作品には4人の人物が登場し故郷に対する複雑な思いを語る。ある者にとっては故郷はカーキ色に象徴される抑圧的な世界であり、またある者にとっては赤く染まった暴力的な世界である。この映画で監督は、生まれ育った場所を失うことへの例えようもない感情を描く。その苦い悲しみの表現はみる者の心を捉え易々と離さないだろう。

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- 孤独な存在

Lone Existence (2017 優秀賞)
監督:沙青(シャー・チン)
中国/2016/中国語/カラー/ビデオ(ブルーレイディスク※50Hz)/77分

彼は何年もの間、家から出ることなく、締め切ったドアの内側で、誰にも何も話すことなく過ごしてきた。いままで向き合うことを避けてきた、隠された自己を投影する他者の存在を、カメラでひたすらに観察する欲望だけが、彼の生をつなぐ。夢幻的な日常風景に息づく他者のイメージを通して、彼は魂の自由を得られるのか? 『一緒の時』(YIDFF 2003 小川紳介賞)の沙青監督が、作家として、他者そして自己を見つめることの根源を問う。

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-カラブリア

Calabria
監督:ピエール=フランソワ・ソーテ
スイス/2016/フランス語、セルボ・クロアチア語、ポルトガル語、イタリア語、ロマ語/カラー、モノクロ/ビデオ(ブルーレイディスク※50Hz)/117分

スイスの葬儀会社で働くジョバンとジョゼは、ある遺体をイタリア・カラブリア州まで霊柩車で移送する。故郷セルビアで歌手として活動していたジプシーのジョバンは、死後の世界を信じている。ポルトガル出身でインテリのジョゼは現実主義者だ。ふたりは閉ざされた車内でおのずと語り出す。人生そして愛について……。彼らの背後では、カラブリア出身の死者が静かに眠る。いずれもそれぞれの事情でスイスにやってきた移民たちである。男たちの対話と、旅先の一期一会を、叙情的なジプシー音楽とともに、洗練された映像で描く人生賛歌。

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-ドンキー・ホーテ

Donkeyote
監督:チコ・ペレイラ
スペイン、ドイツ、イギリス/2017/スペイン語/カラー/ビデオ(ブルーレイディスク※50Hz)/86分

南スペインの小さな村で質素な生活を送っていたマヌエル。齢73歳、残りの人生をかけた壮大な旅への出立を決意する。愛するロバと犬を相棒に、スペインからアメリカへ、かつてチェロキーインディアンが辿った3,500キロにおよぶ「涙の旅路」を踏破するのが目的だ。心臓疾患、関節炎、老いが蝕む体の痛みもなんのその、医者の制止すら振り切って、過酷な冒険は続く。旅の過程で育まれる動物達との種族を超えた友情。果たして彼らはアメリカに辿り着けるのか !? 老いてなお自由に、「ありのまま」を生きる姿を讃えるロードムービー!

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-ニンホアの家

A House in Ninh Hoa
監督:フィリップ・ヴィトマン
ドイツ/2016/ヴェトナム語/カラー/ビデオ(ブルーレイディスク※50Hz)/108分

固く閉じられた窓、人気のない廊下、使われてない家具――ベトナム南部ニンホアにある「家」はベトナム戦争で離散した家族の記憶を抱く。鶏の鳴き声、水田の手入れといった穏やかな日常が営まれる「家」ともう一軒の新しい「家」。死者に呼び寄せられるかのように、ドイツとベトナムに離れていた一家は長い時を経て二つの「家」で再会し、故人の手紙、昔の写真、霊媒師による降霊といった不在者の断片を拾い集める。3世代にわたる「家」の記憶が紡ぎ出す家族の物語。

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-自我との奇妙な恋

A Strange Love Affair with Ego
監督:エスター・グールド
オランダ/2015/英語、オランダ語/カラー/ビデオ(ブルーレイディスク※50Hz)/91分

自分に確固たる自信を持つ姉は、妹にとって常に眩しく憧れの存在だった。だが彼女のその過剰なまでの自尊心、自己愛、あるべき自己像への執着が、その人生を徐々に狂わせていく。妹である監督は、姉ローウェンの自意識がどのようなものだったのかを知るため、彼女と交わした言葉をたどり、一方で人生のそれぞれの段階を生きる自信に満ちた女性たちの心のうちに分け入る。他人が羨むような華麗な人生を送ることにますます価値が置かれ、実際の「自分」とのずれに苦しむ現代人の生きづらさ、社会生活の息苦しさを切実に描き出す私的エッセイ。

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-航跡(スービック海軍基地)

Wake (Subic)
監督:ジョン・ジャンヴィト
アメリカ、フィリピン/2015/英語、タガログ語/カラー/ビデオ(ブルーレイディスク)/277分

ルソン島スービック湾にあった米海軍基地は、1991年のフィリピン上院決議に基づき、フィリピンに返還された。しかし、長く米軍管理下にあった湾周辺は、基地返還後も残留化学物質や重金属類、石綿、PCBなどに起因する深刻な環境汚染被害をもたらし続けている。『飛行機雲(クラーク空軍基地)(YIDFF 2011)に続く本作は、十年以上に及ぶ調査によって、公害に苦しむ住民の実態をまざまざと描き出すと同時に、住民たちを支援し、被害を告発するNGOの活動を共感をもって追いかける。スペイン、アメリカによる植民地支配のもとでの人々の苦難と抵抗、弾圧の歴史を凝視し、人々の声に耳を傾ける稀有な映像体験。

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