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火の娘たち

The Daughters of Fire
As Filhas do Fogo

ポルトガル/2023/カーボ・ヴェルデ・クレーオール語/カラー/DCP/8分

- 監督:ペドロ・コスタ
撮影:レオナルド・シモンエス
編集:ヴィトル・カルヴァーリョ
録音:ウーゴ・レイタン
グレーディング:ゴンサロ・フェレイラ
出演:エリザベス・ピナール、アリス・コスタ、 カリーナ・ゴメス
製作:マルタ・マテウス
製作会社、提供:Clarão Companhia www.clarao-companhia.com

カーボ・ヴェルデのフォゴ火山噴火で離散した若い三人姉妹。彼女たちは「いつの日か知るだろう、私たちがなんのために生きて、なぜ苦しむのかを」と唄う……。

【監督のことば】『火の娘たち』、この短編映画は、古代音楽合奏団「オス・ムジコス・ド・テージョ」とここに出てくる3人のすばらしい歌い手とともに、2018年から取り組んでいるオラトリオ舞台から生まれた。それは私の古くからの夢、最後の一歩を踏み出して音楽にどっぷりと浸ることだ……。だがそれにはかなりの勇気と少しばかりの意識喪失が要る。まあいずれわかることだ……それに今回は強力な助っ人として、ジャン=リュック・ゴダールというこの上ない同伴者がいるのだから!


ペドロ・コスタ

リスボン生まれ。リスボン国立映画学校に学び、詩人・映画監督のアントニオ・レイスに師事。長編初劇映画『血』(1989)がヴェネチア国際映画祭で上映。『溶岩の家』(1994)、『骨』(1997)ではカーボ・ヴェルデで撮影を敢行。『ヴァンダの部屋』(2000)はロカルノ国際映画祭やYIDFF 2001で受賞を果たし、劇場公開された。『映画作家ストローブ=ユイレ あなたの微笑みはどこに隠れたの?』(2001)の後、『コロッサル・ユース』(2006)発表。YIDFF 2007でインターナショナル・コンペティション審査員を務める。『ホース・マネー』(2014)は、YIDFF 2015で大賞。『ヴィタリナ』(2019)は、ロカルノ国際映画祭で金豹賞と女優賞をダブル受賞。



言葉の力

The Power of Speech
Puissance de la parole

フランス/1988/フランス語/カラー/DCP/25分

- 監督、脚本、編集:ジャン=リュック・ゴダール
撮影:ピエール・バンジェリ、カロリーヌ・シャンプティエ
録音:フランソワ・ミュジー、ピエール=アラン・ベス、マルク=アントワーヌ・ベルダン
出演:ジャン・ブイーズ、ロランス・コート、リディア・アンドレイ、ジャン=ミシェル・イリバレン
製作会社:France Télécom, JLG Films, Gaumont

ジェイムズ・M・ケインによる犯罪小説『郵便配達は二度ベルを鳴らす』に書かれる不倫と殺人をめぐる会話を、電話越しに口にするひと組の男女。そしてもうひと組の男女が、ボードレールによって仏訳されたことでも名高いエドガー・アラン・ポーの『言葉の力』を、台詞にして対話する――「言葉の物理的な力について、なにかの考えが君の心に浮かばなかったか?」 映像メディアの創造性を考察しながら、ボブ・ディラン、バッハ、ピカソなどさまざまな芸術作品をコラージュした本作は、70年代以降ゴダールが取り組んできたビデオ作品のひとつの到達点として、『映画史』の第1章(1A)と同時期に発表された。

この作品を含む併映プログラムは、ペドロ・コスタ監督の提案により実現した。


ジャン=リュック・ゴダール

1930年、パリ生まれ。「カイエ・デュ・シネマ」を中心にした映画批評家としての活動を経て、1960年に長編第一作『勝手にしやがれ』を発表。『女と男のいる舗道』(1962)はじめ次々と制作された作品群は、トリュフォーらの映画とともに「ヌーヴェルヴァーグ」と評され、世界中の作家たちに影響を与えた。代表作に、『中国女』(1967)、『勝手に逃げろ/人生』(1980)、『映画史』(1988−1998)、『アワーミュージック』(2004)、『イメージの本』(2018)。2022年9月に逝去。2023年のカンヌ国際映画祭で遺作『Film annonce du film qui n'existera jamais: “Drôles de guerres” 』(2023)が上映された。