戦ふ兵隊
Fighting Soldiers
日本／1939／日本語／モノクロ／16mm／66分
監督、編集：亀井文夫
撮影：三木茂
録音：金山欣二郎
現地録音：藤井慎一
音楽：古関裕而
製作：松崎啓次
製作会社：東宝文化映画部
提供：川喜多記念映画文化財団
亀井文夫
1908年生まれ。留学先のソ連で映画を志す。東宝映画文化部で『上海』（1938）を構成・編集、1939年に本作を陸軍省の依頼で製作するが、上映禁止となる。1941年に治安維持法違反で逮捕、投獄。戦後は天皇の戦争責任を問う『日本の悲劇』（1946）を構成・編集するが没収、上映禁止となる。その後、反戦、反核、反差別の立場から社会的問題作を発表し続けた。1986年没。YIDFFでは2001に特集。
糧なき土地
Land Without BreadLas Hurdes: Tierra Sin Pan
スペイン／1933−37／英語／モノクロ／16mm／27分
監督、編集：ルイス・ブニュエル
ナレーション・テキスト：ルイス・ブニュエル、 ピエール・ユニク、フリオ・アシン
撮影：エリ・ロタール
ナレーション：アベル・ジャカン
製作：ラモン・アシン、ルイス・ブニュエル
提供：プラネット映画資料図書館
ルイス・ブニュエル
1900年スペイン生まれ、1983年メキシコで没。『アンダルシアの犬』（1929）、『黄金時代』（1930）のシュールレアリズム作品で知られる。3つの大陸に渡り、様々なジャンルの映画を作った。『忘れられた人々』（1950）、『小間使いの日記』（1964）、『ブルジョワジーの秘やかな愉しみ』（1972）などを監督。『糧なき土地』はブニュエルの3作目で、唯一のドキュメンタリー映画。当初サイレント映画として製作されるも上映禁止となり、1937年にフランスでフランス語のサウンド版が作られた。
ほぼ同じ時期に製作されたこの世界映画史上の古典2作は、今日最も新しいドキュメンタリーの倫理の問題が、ノンフィクション映画のごく初期の時代にまで辿れるものであることを示す。亀井文夫とブニュエルが批評を向ける矛先は、帝国主義の野心（亀井）とブルジョア的感性（ブニュエル）と、それぞれ異なる。しかしいわゆる「仕込み」から再現による演出、明らかな動物の虐待まで、同じテクニックの応用が2人の仕事に見られる。