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映画に(反)対して――ギー・ドゥボール特集

共催:東京日仏学院

「アンテルナシオナル・シチュアシオニスト」(IS)を仲間とともに組織し、1950年代後半から70年代初頭にわたって、制度化する政治・経済・文化的な状況を批判する運動を繰り広げたフランスの思想家・映画作家ギー・ドゥボール(1931−94)の試みは、スペクタクル化する世界に対する批判という意味において、今日においてこそ、いっそうの意味を持つ。1968年フランスの「五月革命」を予言したといわれる、著書『スペクタクルの社会』(1967)は、当時の学生・労働者運動に対する影響のみにとどまらず、イメージによる日常生活の管理体制そのものへの批判として、いまだその有効性を失っていない。

 日本初の特集上映となる今回の企画では、ドゥボールが制作した映画全6作品を上映し、文学や美術といった既存の枠組み自体を否定する、境界横断的なその活動を捉えかえす。ドゥボールとともに、映画は死を迎えたのだろうか? 彼の批判的まなざしは、資本主義社会のもとで組織化され、制度化したイメージの在り方に向けられ、政治・建築・美術・著作権などの領域に対しても問いを投げかける。

会場:山形市民会館小ホール


   A   

サドのための絶叫1952/ビデオ(原版:35mm)/75分
かなり短い時間単位内での何人かの人物の通過について1959/35mm/18分

10日


   B   

分離の批判1961/35mm/19分
スペクタクルの社会1973/35mm/80分

11日


   C   

映画『スペクタクルの社会』に関してこれまでになされた毀誉褒貶相半ばする全評価に対する反駁1975/35mm/22分
われわれは夜に彷徨い歩こう、そしてすべてが火で焼き尽くされんことを1978/35mm/105分

12日


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