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小川紳介生誕90年
三里塚・辺田部落
Narita: Heta Village
- 日本/1973/日本語/モノクロ/16mm/146分
監督:小川紳介
撮影:田村正毅
撮影助手:川上晧市、原正
撮影、編集:小川紳介、福田克彦、湯本希生、岩崎清次、白石洋子、中野千尋
録音:久保田幸雄
録音協力:浅沼幸一
製作:飯塚俊男、田處苗樹、野坂治雄、伏屋博雄、本間周輔、見角貞利
製作会社:小川プロダクション
提供:国際交流基金、映画美学校
農民たちの三里塚の抗議行動を軸にしたこれまでのシリーズ作品とは異なり、本作は辺田部落の日常生活を細やかに記録していく。農村の抵抗勢力の起源を地元の歴史にも分け入って辿り、抗議運動とその影響について地元の人々と長時間話し合う中で、そこに共有されている農村特有の時間感覚が映画作品の主題となり、小川プロをそれを見事に結晶化させた。山形で制作した『ニッポン国古屋敷村』(1982)ほか「牧野村」連作へと移行する転換点となる作品。
小川紳介
1936年生まれ。1960年、岩波映画製作所と助監督契約。1962年ごろ、東陽一、土本典昭、黒木和雄らと映画研究グループ「青の会」結成。1964年、岩波映画製作所との契約を解消。『青年の海 ― 四人の通信教育生たち』(1966)を自主製作。1967年に『圧殺の森 ― 高崎経済大学闘争の記録』を撮り、小川プロダクションを設立して三里塚での新東京国際空港建設反対闘争の取材を開始。『日本解放戦線・三里塚の夏』(1968)以後、三里塚農民と生活を共にしながら、「三里塚」シリーズ7作を連作。小川プロのスタッフらと共に山形県上山市牧野に移住。1982年『ニッポン国古屋敷村』、1986年『1000年刻みの日時計 ― 牧野村物語』を発表。山形国際ドキュメンタリー映画祭の実現と発展に奔走するなか1992年に死去。
