日本プログラム
●10月6日−10日 [会場]F5 フォーラム5
独自の視点で日本をとらえた作品を紹介するプログラム。災禍を記録することの倫理と映像の力を改めて考察する『キャメラを持った男たち ―関東大震災を撮る―』。20年にわたる家族の葛藤の切実な記録。キャメラを通し、その責任と家族のあり方を探る『どうすればよかったか?』。半世紀にわたり平和を訴え続け、陸上自衛隊の演習場で牛の放牧を夢見て生きる一家の物語を描く『日本原 牛と人の大地』。三味線を伴奏に喜怒哀楽の情を表現する浪曲の世界。芸に生きる人々の伝統と継承をうねりとともに謳いあげる『絶唱浪曲ストーリー』。大都市のなかにひっそりと息づく文化と身体感覚を軽快かつ丁寧にとらえようとする『Oasis』。スタイルに拘泥することなく、時間の厚みのなかで、ある場所に生きる/生きざるをえないことをアクチュアルに、真摯に問う5本の映画を上映する。
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キャメラを持った男たち ―関東大震災を撮る―
Men with Movie Cameras--Shooting the Great Kanto Earthquake - 日本/2022/81分
監督:井上実 Inoue Minoru
100年前、10万人を超える死者を出した関東大震災があった。この時、誰に命令されたわけでもなく、燃えさかる火の中を決死でキャメラをまわした3人の男たちがいた。残されたフィルムから彼らの思いが世紀を超えて映像を記録する意味を私たちに問いかける。
●6日
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どうすればよかったか?
What Should We Have Done? - 日本/2023/102分
監督:藤野知明 Fujino Tomoaki
1983年、当時24歳の姉に統合失調症の症状が現れた。しかし両親はそれを認めず、精神科を受診させることなく姉は家に引き籠った。やがて両親は玄関に南京錠をかけ、姉の外出を阻止するようになった。両親の態度を疑う弟は、その責任を問うためにキャメラを回し始める。20年以上にもわたる家族の葛藤。
●8日
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日本原 牛と人の大地
Nihonbara Diary - 日本/2022/110分
監督:黒部俊介 Kurobe Shunsuke
陸上自衛隊「日本原演習場」を抱える岡山県の奈義町。自衛隊との共存共栄を謳う町で、反戦平和を訴えながら、50年にわたり牛を飼い、田畑を耕してきた内藤秀之さんと家族の物語。1960年代の終わり、医学生だった内藤さんは、なぜ牛飼いになったのか?
●9日
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絶唱浪曲ストーリー
With Each Passing Breath - 日本/2023/111分
監督:川上アチカ Kawakami Atiqa
関東唯一の浪曲の常打ち小屋である浅草の木馬亭。その舞台裏では、さまざまな人生が交錯し、ベテランから若手へと芸が継承されていく。主人公は港家小そめ。伝説の芸豪 港家小柳に惚れ込み弟子入りした小そめが、晴れて名披露目興行の日を迎えるまでの物語。
●10日