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ともにある Cinema with Us 2023

助成:公益財団法人カメイ社会教育振興財団(仙台市)

106日−8日 [会場]CS 山形市民会館小ホール、F2 F3 フォーラム2、3、YE やまぎん県民ホール イベント広場

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 東日本大震災が起きた2011年から、映画を通じてさまざまな人々や出来事をつなごうと試みてきたこのプログラム。あれから12年、つまり文字通り一回りした今日において何をつなぐことができるのか。激変する自然と社会のなかで、もはや記憶の片隅に追いやった人々もいるだろう。そもそも当時のことを知らない世代は、あの出来事を“学ぶ”ものとなっているとも聞く。しかし、これは本当に過ぎ去ったことなのだろうか? 7回目となる今回は、過去と現在を結び直し、未来のために問い直す場としたい。



なみのおと
The Sound of Waves
日本/2011/142分
監督:酒井耕、濱口竜介 Sakai Ko, Hamaguchi Ryusuke

本プログラムが始まった2011年の上映作品。津波被害を受けた気仙沼、南三陸、石巻、東松島、新地町と南下しながら、消防団員や議員、夫婦や姉妹など親しい者や時には監督との対話は現代の口承記録となる。監督の酒井と濱口は『なみのこえ』『うたうひと(いずれも2013、YIDFF 2013)をあわせ東北記録映画三部作を撮った。そして、酒井は「ヤマガタ・ラフカット!」のコーディネーターとなり、濱口は『ドライブ・マイ・カー』(2021)などで国際的な評価を得るに到る。

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津島 ―福島は語る・第二章―
Tsushima--Fukushima Speaks Part 2
日本/2023/193分
監督:土井敏邦 Doi Toshikuni

前作『福島は語る』(2019)に続き、東京電力福島第一原子力発電所の事故により生きる土地を奪われた住民たちの証言を集めた作品。福島県浪江町の津島地区は、阿武隈山系の山々に囲まれた小さな山村。原発事故で全域避難を余儀なくされ、12年が過ぎても大半の住民は戻れないでいる。故郷を追われた人々の生の声を通して、共同体や家族、そして、生きるとは何かを問いかける。

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ラジオ下神白 ―あのとき あのまちの音楽から いまここへ―
Radio Shimo-kajiro--The Songs That Led Us Here Today
日本/2023/70分
監督:小森はるか Komori Haruka

福島第一原子力発電所の事故に見舞われた浪江、双葉、大熊、富岡から避難してきた人々が暮らす復興公営住宅 下神白(しもかじろ)団地。別々の土地から集まり、高齢者の多いこの団地で、「ラジオ番組風」に思い出の音楽について語らうCDをつくって配ったり、さらには歌い手のリズムにあわせて演奏する「伴奏型支援バンド」を結成するに到る、時代もコロナ禍も越えて音楽が取り結ぶ、一風変わった被災地支援活動の記録。

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トークセッション
それを知らない世代と分かち合うものを探して ―災害の記録と記憶、感情―

東日本大震災から12年、人口の一割はその後に生まれた世代となった。震災後は続いているといえども、現実に過去の出来事となった世代へ何を継承し、何を分かち合うことができるのか、実践の現場から考える。

登壇者:小森はるか、橘川由江、小川直人

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